k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2009年7月号

軍事研究 2009年 07月号 [雑誌]

軍事研究 2009年 07月号 [雑誌]

 巻頭は、野木恵一氏による北朝鮮の核実験速報。情報を付き合わせると、規模は4キロトン程度ということになるらしい。


 一戸崇雄氏のエイブラムスの装甲についての解説記事は連載の2回目。空間装甲(HEAT対策)の解説と、イラクの実戦での被弾状況の分析が載っている。詳細すぎてきちんと追い切れませんが、資料として。


 レポートとして面白かったのが空自の防空レーダー網。坦々とした調子ですし、秘密のこともあるので詳細とはいきませんが、24時間連続稼働が求められる厳しい世界の様子が窺い知れた。ちなみに、レーダー設備の内部は、コールセンターみたいな雰囲気らしいです。
もうひとつは、アメリカの諜報機関が日本で何をしているかを開設した黒井文太郎氏の記事。441軍事情報大隊の求人が公開されていて、六本木のハーディ・バラックスに勤務するものと横浜ノースドックに勤務するもの。基本給とか勤務時間とかも書かれており、以外と給料安め(基本給が24〜27万/月)。諜報機関と言っても、仕事の大半は公開情報の収集分析だから、別に隠すこともないということなのでしょう。


 インテリジェンス解読の連載はバルバロッサとスターリンの誤謬。スターリンが、ドイツによるソ連攻撃とは西側の陰謀だと信じ込んでいたため初動が遅れたということはよく知られているが、イギリスの情報部も1941年6月まではソ連への攻撃は無いと分析していたこと、チャーチルによるスターリンへの警告(1941年4月)はその意味で充分な根拠が無かったことが本記事には記されている。つまり、チャーチルの読みは最終的には正しかったが適切な根拠のないもので彼は独ソ戦を望んでいた。スターリンチャーチル独ソ戦を望んでいるということを正しく理解していたが、それゆえに真に正しい情報を評価できなかった、と。
難しい話だ。