ファングループ「宇宙塵」は柴野拓美さんと不可分のものであり、柴野さんが編集に携わらないSF同人誌『宇宙塵』は、これまでの『宇宙塵』とは別のものであるとの認識に到りました。
(お知らせ、より)
ということで、最終号となりました。先日のこいこんで入手してありましたが、週末のコミケットでも頒布されるようです。(日曜日:東へ−01a)
目次は以下の通り
- 戦後文化史に『宇宙塵』と柴野拓美が果たしたもの(長山靖生)
- 柴野拓美のヒューマニズム(牧眞司)
- 柴野幸子さんに聞く、家庭人としての柴野拓美さん
- 柴野拓美と『宇宙塵』の時代(座談会:小川隆、小浜徹也、鹿野司、牧眞司)
- 『宇宙塵』関係年表
- 抄録「TOFF第一号レポート」
長山氏の論文の最後にある
文中敬称を省略いたしましたが、ところどころ我慢できずに「柴野先生」と記しました。
というのが印象的。
「SFとは」という話もさりながら、「SFファンとは」という視点が、柴野先生を語るときには避けて通れない。
載っていた船が転覆し、いま、あなたひとりが緊急避難ボートに乗っている。ふと見ると、波間で二人の人間が助けを求めている。一人は若くて美しい娘。もうひとりは冴えない中年のオジさん。ボートにはあとひとりだけ乗せられる。あなたは、どちらを助けるか? (p.18)
という話の二段オチのエピソードとか。
ファン活動の理想を追い、その理想が半ば適い、半ば適わなかった、というあたりは、梅田望夫のウェブ論と似たような感じなのかもしれない。