k-takahashi's blog

個人雑記用

皆勤の徒 〜異様な言葉遣いによって表現される異様な世界

皆勤の徒 【創元日本SF叢書版】

皆勤の徒 【創元日本SF叢書版】

「百々似隊商」のパート。大塵禍の後で養生塁と呼ばれる集落の間を隊商が行き来する。隊商には媒音を操る利塵師が不可欠だが、誰にでもなれるわけではない、といった辺りで何のこっちゃと思う。
非常にしっかりした世界設定が随所から伺えるが、この異様な言葉遣いのせいもあって、不思議な感覚のまま読み進めることになる。
ところどころ、背景説明的な記載もあり、どうやら宇宙船や人工環境的なものもあるようだということが分かってくる。


結局、腑に落ちたのは巻末の解説を読んでからになるのだけれど、巻頭の「皆勤の徒」が時系列的に後ろの方に来るというのは最後まで気がついていなかった。(同じ時期の別部分だろうと思って読んでいたので)


読むのに疲れますが、星雲賞の候補にもなったことですし、遠未来SFが好きな人にはお勧め。