- 作者: 野崎まど
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/09/30
- メディア: Kindle版
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その世界の情報庁で働く御野・連レルが主人公。彼は、失踪していた恩師が残した暗号を解読し、恩師のもとに赴くが、そこで一人の少女を託される。4日後に全てが明らかになると言われて。
knowは「知る」という意味と「脳」の掛詞で、BMIやビッグデータ、情報格差といった今風の話題もうまく取り込んでいる。
となれば分かるとおり、本作はシンギュラリティSF。質量の集積がブラックホールとなり特異点を生み出すが、その辺の比喩の使い方は上手いと思った。
ただ、そういう視点で見ると、ちょっと食い足りない部分が気になる。
どうしてもネタバレになるので細かくは書かないけれど、「ここってそうなのか?」というところがチラホラ気になってしまい、最後も「まあ、そうなるだろうけれど」という感じだった。もっと現代は吹っ切って欲しかった。
同じ理由で、主人公と道終・知ルの性別設定もやや引っかかった。作者の意図は分かるけど。
さて、あとは星雲賞の投票をしないといけないのだが、自由部門、どうしよう?