k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2015年1月号

軍事研究 2015年 01月号 [雑誌]

軍事研究 2015年 01月号 [雑誌]

岩礁埋め立て!南シナ海のど真ん中に巨大航空基地(田中三郎)

中共南シナ海岩礁を埋め立てている。基地建設が目的と見られ、オーストラリアも脅かすことになる。
もちろん、一番影響をうけるのは台湾で、工事現場から太平島(台湾領)までわずか72キロ。一瞬で台湾領を奪い、人質を取ることができるからだ。
日本も人ごとではなく、これらの現場は日本の海上交通路を分断する位置にあり、当然対日恫喝の道具になる。

輸入決定!E-2D早期警戒機(石川潤一)

先日導入が決定したE-2Dの解説記事。
E-2Cホークアイのインフラや訓練体系をそのまま流用できる(p.69)のもポイントになったらしい。
また、対抗だった737AEW&Cよりもレーダー性能が高く、今後の向上が期待できるのも大事な点とのこと。
記事では、NIFC-CA(海軍統合火器管制・対空)という米海軍の構想にマッチしている点も大事としている。これは米軍との相互協力を進めるために必要だが、現時点ではまだ検討段階(記事中では、E-2Dの導入が足がかりになるかも、としている)

ロシアの野望!黒海からバルト海まで ウクライナの次は「カリーニングラード」(小泉悠)

小泉氏によるロシア分析記事。「え?」と思ったのが次の部分

ソ連は西側と共同で冷戦を終わらせたつもりでいた(p.79)

という部分。それが今のロシアの尊大な態度の背後にある考え方で、中共もろとも冷戦終結時に常任理事国から降ろすべきだったんだろうな。

なお、ロシアの脅威を受ける各国は

ウクライナ危機後の2014年6月、ウクライナリトアニアポーランドが参加国合同旅団の設立で合意(p.81)

これまで中立国で会ったスウェーデンやロシアの準影響圏と見られていたフィンランドについて、NATOとの関係強化が進呈している(p.81)

記事タイトルにある「カリーニングラード」は、ごく最近ロシア版図に含まれるようになった地域。ソ連時代にドイツ系住民を追放した結果、ロシア系優位になっている。なんと、ここは冷戦後に駐留兵力が増加している。そして、飛び地であるカリーニングラードへ行くためにリトアニアに圧力をかけて、リトアニア領内をロシア軍が通過することを認めさせようとしている。
おまけに、2009年にはここで大演習を実施(仮想敵国はポーランド)している。

御嶽山噴火災害派遣とガス防護(文谷数重)

火山性ガスと化学兵器の特性の違いの解説。成分が違えば検知手段も変わる。両者は分子量が異なり、化学兵器は分子量が多く沸点が高いので物理吸着向き、とかそういう解説。

英軍最高勲章ヴィクトリア十字軍(永井忠弘)

1856年制定のヴィクトリア十字章は、現在までの受賞者1354名。手柄に対してでなく、勇気や自己犠牲に対して与えられる勲章なので、人数は少な目。受賞理由も書かれているのだが、結構、無茶な作戦があるものだ。

即応態勢の第7艦隊&横須賀基地の底力(軍事情報研究会)

こちらはカラーページの写真入り記事。実戦部隊であり即応部隊である第7艦隊とそれを支える横須賀。米海軍の6つの艦隊を比較して第7艦隊の即応性を解説している。アジア有事の際、西海岸にいる艦隊より17日早く対応できる。

自衛隊を国民の負託に応えさせる道(横地光明)

自衛官の処遇について。殉職者への叙勲が、警察に比較して半分でしかないという指摘が書かれている。(さらに、消防はもっと率が低いらしく、叙勲が政治力によって左右されているという状態らしい)。

無人ヴィークル最前線(1)(井上孝司)

井上氏の新連載。第1回は対機雷戦。もともと機雷処分具という形で無人化が進んできた分野だが、人が近づくのは危険という意味でロボット化とは相性が良い。
もちろん、課題もあり、井上氏は「動力」「自立航法と測位」「通信」の3つをあげている。いずれも水中という環境によるもの。実機としては、ハイドロイド社のREMUS100、アトラス・エレクトロニク社シーオター、ロッキード・マーチンのAN/WLD-1、グラマンのMHUを紹介。大きさや機能は色々。