k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2015年8月号

Newton(ニュートン) 2015年 08 月号 [雑誌]

Newton(ニュートン) 2015年 08 月号 [雑誌]

特集は「くすり」。
まず、トカゲの毒が糖尿病治療薬(バイエッタ)になった例を紹介して、「生物活性物質」の概念を説明。
次いで、吸収・作用の概要説明。抗ヒスタミン剤(クレマスチン)がヒスタミン受容体を止めることが、脳内の覚醒作用もブロックしてしまうことが薬で眠くなる理由であることを説明し、眠くならない抗ヒスタミン剤(脳の血管壁を通らない)の仕組みを解説。
薬は胃腸で吸収され、肝臓で一部が分解されてしまうのだが、そこを逆手にとって肝臓で変性させることで副作用を抑える、という工夫もあるのだそうだ。


次が新薬開発の手順説明。iPSやスーパーコンがどうやって新薬開発に使われているのか(スクリーニング)も分かりやすく解説。


面白いのが、最後にある「開発中の新薬」の紹介。製薬会社の少なさ、抗がん剤の多さが興味深い。


特集とは別の記事だが「C型肝炎治療の最前線」という記事(pp.34-)もあり、ソホスブビルがウィルスを駆除する仕組みを説明している。
ただ、ウィルスの駆除の確度は上がっているが、ウィルスを駆除した後で異常を起こした細胞を減らしていかないと癌化のリスクが減らず、ここが大変なようだ。

インド(p.6)

インド亜大陸ユーラシア大陸にぶつかってヒマラヤ山脈ができたことはよく知られているが、実は衝突前に通常の2倍の速度で近づいていたのだそうだ。そのメカニズムについて「沈み込み帯が2カ所あった」という仮説の紹介。

バーチャル心臓(p.9)

コンピュータシミュレーションで心臓をモデル化する話の紹介。
医薬品が不整脈を起こすことがあるが、それは心筋細胞に10種類以上のイオンチャネルがあり、それらの関係が複雑なので調べるのが難しかった。それを解決する技術。
モデルに不整脈リスクがあると分かっている薬品のデータを入れてみたところ、臨床データと一致したというところまで来ている。

冥王星 (pp.78-)

ニューホラインズンズの紹介記事。表面が何色かというのも重要なポイントで、もし有機物があれば茶色かもしれない、亀裂があれば海があるかもしれない、とか色々予想されている。
今までに撮られた一番綺麗な写真も載っているのだが、上手くいけば桁違いに細かい写真が得られる。楽しみ。