Newton(ニュートン) 2015年 08 月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートン・プレス
- 発売日: 2015/06/26
- メディア: 雑誌
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まず、トカゲの毒が糖尿病治療薬(バイエッタ)になった例を紹介して、「生物活性物質」の概念を説明。
次いで、吸収・作用の概要説明。抗ヒスタミン剤(クレマスチン)がヒスタミン受容体を止めることが、脳内の覚醒作用もブロックしてしまうことが薬で眠くなる理由であることを説明し、眠くならない抗ヒスタミン剤(脳の血管壁を通らない)の仕組みを解説。
薬は胃腸で吸収され、肝臓で一部が分解されてしまうのだが、そこを逆手にとって肝臓で変性させることで副作用を抑える、という工夫もあるのだそうだ。
次が新薬開発の手順説明。iPSやスーパーコンがどうやって新薬開発に使われているのか(スクリーニング)も分かりやすく解説。
面白いのが、最後にある「開発中の新薬」の紹介。製薬会社の少なさ、抗がん剤の多さが興味深い。
特集とは別の記事だが「C型肝炎治療の最前線」という記事(pp.34-)もあり、ソホスブビルがウィルスを駆除する仕組みを説明している。
ただ、ウィルスの駆除の確度は上がっているが、ウィルスを駆除した後で異常を起こした細胞を減らしていかないと癌化のリスクが減らず、ここが大変なようだ。
インド(p.6)
インド亜大陸がユーラシア大陸にぶつかってヒマラヤ山脈ができたことはよく知られているが、実は衝突前に通常の2倍の速度で近づいていたのだそうだ。そのメカニズムについて「沈み込み帯が2カ所あった」という仮説の紹介。