k-takahashi's blog

個人雑記用

My Humanity

My Humanity

My Humanity

第35回日本SF大賞受賞作。4編からなる短編集。タイトルの『My Humanity』が実にうまい。Humanity という人類に関わる問題、それに My と付け加えて個人の視点からの描写にしている。
テクノロジーがHumanityを脅かすという面と、テクノロジーがHumanityを露わにするという面との両面を、その境界面に居合わせてしまった個人の目から描いているというのが面白いところ。Humanity の両面もまたあぶり出されることになるのだが、それが個人に落ちてくる。『父たちの時間』はちょっと作り過ぎな感じもあった(「父」の意味づけは面白い。クラス名とインスタンス名が切り替わるのはもう一つ面白い使い方が入っている)が、『Allo, toi, toi』ぐらいだと怖さが引き立つ。