- 出版社/メーカー: ジャパン・ミリタリー・レビュー
- 発売日: 2015/08/10
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強大な軍事力を持ちながらインドはなぜ中国/パキスタンに戦略的優位に立てないのか(斎藤剛)
インドの軍事戦略概要解説記事。
インドの脅威認識は、概して言えば、顕在化した直接的脅威であるパキスタンと、切迫していないが将来より危険になり得る潜在的脅威である中国を主たる軍事的脅威として認識している(p.35)
インドの国防戦略はややちぐはぐ感があり、三軍の統一がとれていないのではないかという指摘がされている。
米議会報告「中国の軍事力2015」(田中三郎)
5月6日に米国防総省が発表した報告書の解説。昨年版との対比があって分かりやすい。
筆者は、特異な注目点として
をあげている。
9月3日の軍事パレードでもミサイルを誇示していたが、同報告書によれば人民解放軍のミサイル予算は年に1750億ドルとのこと。
F-35C、艦上戦闘機の課題を克服(石川潤一)
F-35ファミリーのうち、最も調達機数が少ないのが海軍型の「F-35C」。そのF-35Cの現状解説記事。
最も開発が遅れているF-35C。特徴は空母着艦のための主尾翼と折りたたみ主翼。そのため一回り大きくなっている。
着艦用のフックについての懸念は解決済みとのこと。
揚陸艦33隻! アメリカ水陸両用艦隊(多田智彦)
米海兵隊の揚陸艦の解説記事。
現在大きく2種類に分けられる米揚陸艦(広い飛行甲板を持つ強襲揚陸艦と狭い甲板を持つドック型揚陸艦)。アメリカ級LHA、サン・アントニオ級LPD、次期型LXRの解説が掲載されている。
あとは揚陸艦に大きく関係する揚陸艇。こちらはエアクッション型が中心で、最新のLCAC-100は74トン(M1A1戦車搭載)搭載で、80隻が予定されている。
150機調達!迷走のUH-X逆転決定(竹内修)
もともとは国内開発を想定した仕様要求があったが、談合疑惑が浮上、合わせて政権交代による方針転換もあり、2013年に一旦白紙撤回。その後、防衛装備移転三原則の制定で海外共同開発の道が開け、2014年に共同開発の方針が決定した。
このとき、UH-Xは民間型も含むことになったが、この民間型の型式証明の問題が、共同開発という形を選んだ最大の理由だとこの記事では書かれている。
在日米軍の北朝鮮弾道ミサイル迎撃作戦(福好昌治)
在日米軍の対ミサイル監視についての記事。
観測艦『ハワード・O・ローレンツェン』に乗艦している軍人は1人で、あとは船員が30名、科学者が25名。まさに「観測」だ。
記事の分析では、在日米軍基地を弾道ミサイルから守る主役は空自のPAC−3が主役、となっている。
島嶼防衛に投入される無人ヴィークル(井上孝司)
「島嶼防衛」という具体的なシーンを考えたときに、無人ヴィークルはどのように使われ、どのような課題があるか、という趣向の記事。
今すぐ使うのは難しいという結論なのだが、後半は、「島嶼防衛用護衛艦」に積むとしたら、という分析になっている。有人ヘリとどう使い分けるか(同居させるか)というのは大事そうだ。
WORLD・IN・FOCUS (菊池雅之)
エルトゥールル号の話は最近知られるようになってきたが、トルコ海軍が訪日すると必ず串本を訪れているそうだ。5回目の今年はゲディズが来たが、この船の紹介。色々改造されていて、艦艇マニアには面白い船だそうだ。
司令公室は「金剛」、士官室は「比叡」という部屋の名前だそうです。(遭難者をトルコに届けたのがこの2艦(の先代))
22世紀まで戦う『次世代原子力空母フォード級』(軍事情報研究会)
カラーページで写真が分かりやすい解説記事。
内容は同誌が何度か書いてきたものだが、先代のニミッツ級とどう違うかを整理している。
特に甲板のデザインの違いと、それによる運用能力拡大という部分が面白い。作業スペースを広げ、作業そのものを迅速化するための技術が色々と施されている。
空の防人回想録(17)(鈴木昭雄)
SAM-XやFS-Xの話、F-15Jの空中給油装置(F-4EJで外されていて、軍事的な非常識を示す一例だったが、F-15Jでは無事に装備)、AWACS、政府専用機などの装備関係の回顧。
一方、組織改編や共同訓練の話もあり、どれも政治絡みで大変だった様子が分かる。
後門の狼「ロシア」イランで漁夫の利をあさる(小泉悠)
大国イランへに取り入ろうとするロシアの動きの解説。
ロシアから見るとイランは武器輸出の顧客であり、原子力開発にも食い込んでいる。
この武器とエネルギーの組み合わせはイラクやエジプトでも使われている。
ロボティクス・チャレンジ・ファイナル (阿部拓磨)
阿部琢磨氏によるDRCレポート。今回は決勝戦
直前の様子の中に、スポンサーの違いが食事の違いになっている様子があっておかしかった。
既知の通り、KAISTが優勝したのだがそれに関連して、日本のチームもメディアも捉え方がズレていたのではという話題が出ていた。
「シーパワー論」と日本の艦隊決戦主義(田村尚也)
用兵思想についての連載記事。今回は20世紀前半あたりまでの海洋戦略。