k-takahashi's blog

個人雑記用

デジタルゲーム学研究

デジタルゲーム学会の論文誌(2016 Vol.9 No.1)を斜め読み。小さな学会・研究会の論文集なんてのは玉石混淆なんだけれど、面白かったのが2つ。


一つが「テレビゲーム利用による攻撃性・規範意識への影響」(堀内、田島、鈴木、渋谷、坂元)。
ゲーム脳みたいなトンデモはともかくとして、なんであれ活動が人間に影響はするもの。ではそれはどのくらいでどういうものなのかというところが研究の対象になる。
ゲームをすると暴力的になるか、というのは幾つか調査があり、可能性があるという辺りが多いようだ。

本研究は、ゲームのレーティングにより影響に違いがあるかということを調査したもの。
C区分(15歳以上対象)のゲームソフトとB区分(12歳以上)のゲームソフトで比較すると、プレイ経験と男子学生の1年後の暴力に対する規範意識低下との影響が異なる(C区分では低下、B区分では影響が見られず)というもの。


もちろん、とっかかり的なものではあるけれど、目の付け所が面白いなと思った。


もう一つは「第4回国際日本ゲーム研究カンファレンス」のレポート。(天野圭二)
例年、日本とカナダで開催されてきたカンファレンスが今回はドイツで行われた。
基調講演が、岩谷徹、小沢純子、遠藤雅伸、Minako O'Hagan、というもの。4人目のO'Hogan准教授の講演はローカライズに関わるもので、タイトルが "Beyond All Your Base Are Belong To Us"というところが面白い。
この辺もまだきちんとまとまっているというよりは、「そういう研究が始まっているんだなあ」という感じ。