k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2018年7月号

軍事研究 2018年 07 月号 [雑誌]

軍事研究 2018年 07 月号 [雑誌]

『水陸機動団』と『アメリ海兵隊』(北村淳)

まず、水陸両用作戦と強襲上陸作戦を混同している人が多いと指摘。米軍では水陸両用作戦と、強襲、襲撃、撤収に分類しているが、このうちの強襲だけを考えているという批判である。島嶼奪還には強襲が前提になるが、これは島嶼防衛とは異なる。
また、米海兵隊はMAGTFという特殊な組織を持っていること、航空機を運用していることなど、日本が作ろうとしている部隊とは大きく状態が異なっていることも説明。
現状の課題は、陸軍である陸自島嶼防衛に向いた体制作りであって、上陸作戦の検討ではない、と。

軍用神経剤『ノビチョック』とは何か(濱田昌彦)

3月にイギリスで発生したロシアによる暗殺事件。なぜあれほどの騒ぎになったのか、その理由は使われたノビチョックという毒物が特殊なものだったから。その解説記事。
これはロシアが作った化学兵器で、化学兵器禁止条約上の扱いが微妙になるところがあり、そういうものを外国で使ったことが政治的に非常に問題だという面がある。(中露の解釈によれば、事実上条約で規制できない化学兵器になってしまうおそれがある)

極超音速滑腔体と極超音速巡航ミサイル』(洲良はるき)

紹介記事。
核兵器の代わりになるというところが政治的には大きい。

初の『高射教導隊訓練検閲』(芦川淳)

陸自の高射教導隊の訓練検閲のレポート。創設以来初とのこと。
実践的な訓練で、「対空陣地が攻撃を受けて、隊員の一部が失われるという事態も起きた。このとき高射教導隊長に問われるのは、防空の穴を開けないよう一刻も早く機材を復旧させ、戦力外となった人員を補充することだ」(p.204)という状況が出る。専門性が高いため、この補充が難しい。