- 作者: 篠田航一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2018/06/15
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (2件) を見る
であるから、別にドイツを特別扱いする必要は無いわけで、とうぜん都市伝説はある。そんなドイツの都市伝説紹介本。
八割方は世界のどこも同じようなものだなというところ。
ドイツっぽいと言えば、子供の頃のヒトラーが溺れかけたのを助けた神父という都市伝説があるそうだ。創作の可能性が高いようだが、「成人後に犯罪者になった者が子供の頃/若い頃に始末できていれば」というのも、世界中にある。ドイツの場合分かりやすい人物がいるところが特徴と言えば特徴。
著者が具体的に人に話を聞きに行く部分は面白い(フリーメーソンのドイツロッジのグランドマスターに「イルミナティ」のことを聞く部分とか、ビーレフェルト(存在感が薄いので、「実在しない」というジョークのネタにされている街。日本だとグンマーや鳥取がよくネタにされるが、あのイメージ)の市当局者にプロモーションのことを聞いたり)。このへんは記者の経験をうまく使っているなあ、と。
一方で都市伝説自体の扱いは、思いつきレベルっぽいのが多くて、著者にそのへんの感覚がやや不足していると思った。まあ、そこは本書の売りではないからしょうがない。
この本をネタにして別の文章を書くと面白くなりそう。