k-takahashi's blog

個人雑記用

ヒトラーとUFO

新書882ヒトラーとUFO (平凡社新書)

新書882ヒトラーとUFO (平凡社新書)

一昔前は、ドイツはお堅いが真面目で誠実な国というイメージだったが、フクシマ差別が一部のイエロージャナリズムだけではなくドイツ全体に蔓延していることが伝えられるようになり、「ああ、やっぱり」という知識が広がりつつある。
であるから、別にドイツを特別扱いする必要は無いわけで、とうぜん都市伝説はある。そんなドイツの都市伝説紹介本。


八割方は世界のどこも同じようなものだなというところ。
ドイツっぽいと言えば、子供の頃のヒトラーが溺れかけたのを助けた神父という都市伝説があるそうだ。創作の可能性が高いようだが、「成人後に犯罪者になった者が子供の頃/若い頃に始末できていれば」というのも、世界中にある。ドイツの場合分かりやすい人物がいるところが特徴と言えば特徴。


著者が具体的に人に話を聞きに行く部分は面白い(フリーメーソンのドイツロッジのグランドマスターに「イルミナティ」のことを聞く部分とか、ビーレフェルト(存在感が薄いので、「実在しない」というジョークのネタにされている街。日本だとグンマーや鳥取がよくネタにされるが、あのイメージ)の市当局者にプロモーションのことを聞いたり)。このへんは記者の経験をうまく使っているなあ、と。
一方で都市伝説自体の扱いは、思いつきレベルっぽいのが多くて、著者にそのへんの感覚がやや不足していると思った。まあ、そこは本書の売りではないからしょうがない。


この本をネタにして別の文章を書くと面白くなりそう。