井上純一氏の経済解説マンガの続編。昨年夏に出たものなので、消費税増税前、当然コロナ禍騒動前ということになる。
地位材の話は面白かった。現象としては知っていた「人間の一番の不幸とは、自分より下だと思っている人間が幸福になること」（他人と比べる、ということの価値）というのがちゃんと名前を付けて、行動経済学の要素だったのは知らなかった。
相変わらず、月さんのずれたテンポが面白い。ずれたといっても、そういう発想をベースにすると今の日本のやりかたの方がずれていることになる。その役割を経済に詳しくない（感覚的な捉え方をしている）月さんにあてがっているところが構成のうまさなんだろう。
とっかかりをこの本にするのはいいとして、次に何を持ってくるといいのだろう。もちろん、普通に現代経済学を勉強しろというのが王道だろうけど、それじゃ手を出してくれない人が多数だろうし。
