k-takahashi's blog

個人雑記用

デジタルゲーム研究入門

 

デジタルゲーム研究入門:レポート作成から論文執筆まで
 

 全然違うレベルの話題が、「デジタルゲームを研究する方法」という一つの軸で合体している、ちょっと面白い本。

 

違うレベルの話題というのは、一つはデジタルゲーム研究自体の説明・解説の部分で、もう一つがどうゲーム研究をすればいいのかという部分である。

 

どう研究すれば良いのか、というのは、実のところ「大学生をどうやって卒論を書けるレベルまでもっていけばいいのか、卒論を書けるレベルになってもらうか」という話題で、研究テーマの選び方、論文の書き方、調査・データ集めのやりかた(アンケートの採り方や注意点)、スケジュール管理などである。ところどころゲーム研究特有の課題も出てくる(ゲームに詳しいことの弊害とか、ゲーム研究自体が低く見られるがちだとか)が、それ以前に卒論研究の一般論の部分が大きい。2~4章がこれに該当し、またそれを受けた論文の実例紹介(5章)がある。ここは、大学生(ゲームが趣味だけれど、ゲームで卒論書く気はないけれど、卒論の書き方とかあまり知らない人)に推薦できる。
私自身は理工系なので、社会学系の論文作成のアプローチというのは興味深く読ませてもらった。

 

もう一つのデジタルゲーム研究自体の解説(第1章、6章、付録)は、「ゲーム研究とは」という大きな課題の話で、これはもう卒論とかというレベルの話ではない。個人的にはこちら側が非常に面白く、役に立った。こっちの部分の続きが読みたいと思っている。
第1章にまとめられている概要と、それを受けての付録のブックガイド(および解説)が非常に有用。(ブックガイドから何冊かポチりました。追々読んでいくつもり)