k-takahashi's blog

個人雑記用

伝説のアーケードゲームを支えた技術

 

 1980年代のアーケードゲームの技術を紹介している本。80年代の導入としての70年代と少しだけ90年代のことも書いてある、というぐらいのはずなのだが、実際には70年代の話が妙に細かかったりする(ただ、それを踏まえて80年代の技術の解説になっているので、無駄なわけではない)。技術の工夫とその変化は読んでいて楽しい。あるゲームの技術はその次の世代にどう引き継がれたのか、新たな工夫がされたのか、あたりが分かるようになっている。この辺が丁寧に書かれているところがとても嬉しい。
今でもそうだけれど、コンピュータゲームの表現やデザインというものが技術に強く依存していることがよく分かる。

 

1年1章ぐらいになっていて、急激な進歩をする様子が分かるようになっている。Amazonとかには目次がでているけれど、技術名で書いた方が通じると思う。

 

ダイオード・マトリクス、タイマーIC555、フレームバッファ、バレルシフタ、RAM(82S16)、ベクタースキャン、スプライト、AI、マルチCPU、ラスタースクロール、スプライトの多色化、レイトレーシングレーザーディスク、シンクロ連射、光線銃、ポリゴン、回転表示。

他にも、BG、タイル、パレット、ダブルバッファといった80年代技術が山盛り。ギャラクシアンには、スタージェネレータやビーム専用ハードが搭載されていたことも書かれている。

 そういった技術がゲームの特徴に繋がっているのが分かる。ゼビウスの映像表現はスプライトの性能向上があって初めて可能になった(というか、スプライト機能が向上したからあういう表現をとった)。

 

一つ残念なのは、ゲーム画面が写真ではなくイラストになっていること。権利処理の関係か、ページ数の制限か分からないけれど、見ただけで分かるグラフィックの変化ともあるので、頑張って欲しかったところ。(もっと言えば動画がいい。自分で探せばもちろん、YouTubeでほぼ全部みつかるのではあるが)