主人公は「アラフォー地味美人」なアマチュアバイオリニスト。イベントとして持ち込まれた時価2億円とも言われるバイオリンの名器『ミモザ』が消失する事件に巻き込まれる。密室から問題のバイオリンが消えてしまったのだ、被害者が微妙に煮え切らないこともあり誰が怪しいのか、怪しくないのかはっきりしない状態が続く。
ミステリーなので、「江戸川乱歩賞作家」高野史緒の作品ということになるが、肩の力を抜いた軽めのミステリー。高野史緒風のギャグがあちこちに入っているし、音楽愛好家としての蘊蓄と語りも楽しい。
アラフォーヒロインのラノベというかハーレクイン風ストーリー、でもある。シリーズ化をするのはちょっと辛いかな。
「そうか…… それじゃ、いったんロックの件を置いておくとして、警備会社もホテルも安住もグルっていう、いわば、『 オ……」
「ネタバレ禁止! そうだったとしても、鍵の件を置いておくのはナシでしょ!」
スポンサーから一言、戦え、だ。
メガネはメガネ人間のATフィールドなのだ。