k-takahashi's blog

個人雑記用

戦国の忍び

 

戦国時代のニンジャというか「忍び」の実態がどのようなものだったのか、どういう人達だったのか、どういう活動をしていたのか、を資料をもとに解説している。
「そんなもの、闇から闇へ葬られたのでしょ」というばかりではなく、丹念に探すと色々と記録が残っている。もちろん、講談調のニンジャが本当にいたわけではないが、足軽の一部という形で偵察・スパイ・不意打ち・放火・調略など色々とやってきている。

身分的には明確に武士とは別のもので、それは報償の違いというところにも現れている。戦国時代、武士が手柄を上げれば当然領地が貰える。しかし忍びは褒美が貰えるだけで領地は貰えない。ここはかなりはっきり区別されていたようだ。ただ、私掠船のような形で略奪品を手にできたり、行動の裁量が大きかったりすることから、武士階級が忍びの任務をなかば勝手にやろうとすることも多かった。(砦の警備が任務なのに、外に出たがるというのは、まあ分かるようなあとも)

 

忍びを集めるよう指示した記録もあり、物見や威力偵察、あとは夜間活動用部隊としてかなり広く使われていたことが分かる。昼は武士、夜は忍び、が主な主体となり、武士の夜間活動はかなり特殊だったことも伺える。(土地勘がないと夜間活動なんかできないわけで、移動してきた武士には難しい。現地徴用の忍びの方がよかったわけね)

加えて、領内の悪党を体制内に組み入れて従わない悪党を征伐するのにも使ったりしている。忍び部隊は戦だけでなく内政のためにも有用だったようだ。

 

もちろん、そもそもが信頼が低いところにもってきて、消耗率も高かったので、一般の足軽以上に「使い捨て」されることも多かった。夜間の待ち伏せ中に凍死した例も紹介されている。