- 出版社/メーカー: ジャパン・ミリタリー・レビュー
- 発売日: 2016/11/10
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秋はロシア軍大演習の季節「カフカス2016」(小泉悠)
毎年大演習を実施しているロシア。今年の「カフカス2016」の分析記事。
前回の同じ地域での演習は4年前の「カフカス2012」。それと比較して10倍以上の兵力を動員している。数え方の違いや「盛っている」可能性もあるが、規模が巨大化したのは事実。内容的にも、カフカスでの対テロ作戦だけでなく、西側やサウジを想定していることが伺える。部隊規模やミサイル動員なども含めて、「大規模国家間戦争」前提の訓練になっている。
同時期に極東でも大黍演習を実施しており、これも「対テロ」ではない。
超大型戦略輸送機「Y-20」実戦配備(林富士夫)
中国の戦略輸送機「Y-20」の開発経緯、実力評価、世界安全保障への影響、をまとめた記事。
中国の意図は装備数でおおよそ推測することができ、Y-20が400機以上なら世界覇権狙い、200〜300機なら東南アジア狙い、100〜150機なら台湾狙い、ということになる。戦闘機などと違って輸送機の性能は効率に影響するものなので、配備数で性能をカバーできるため、性能見積もりと配備数をチェックするのが大事。
また、ハーグ裁定直後にAG600飛行艇を公開しており、南沙諸島侵略の意図を示すものと考えられる。
空自の本格的電波情報収集機C-2改(宮脇俊幸)
有人の電波情報収集機が必要だ、という論。アンテナの種類が増える、機上でデータ処理できる、というのが無人機に対する優位点。
防衛省が導入するグローバルホークには電波情報収集センサーは搭載されなさそう(含まれるときには、含まれる、と明確に記載があるらしい)
MQ-8ファイアースカウトの可能な任務(石川潤一)
ノースロップ・グラマンが次に売り込もうとしているのが海自向け艦載無人航空機MQ-8ファイアースカウト。
小型で取り回しやすいMQ-8Bと多様な任務をこなせるMQ-8Cがある。米軍の本格導入がこれからなので、まずはそれを見てからになるだろうという推測をしている。
WORLD・IN・FOCUS(172)(菊池雅之)
昔は映画に出てくるのは「S県」とか「N市」とかだったが、最近はリアリティ重視で具体的な地名が普通。登場する組織もリアリティ重視で、自衛隊も積極的に応援しているし、医療関係、消防関係も同様。
その点で、実は警察が意外と連携できていないそうだ。
一陸上自衛官の回想(8)(松島悠佐)
第8師団長時代に、北海道に転用される場合、北九州に支援に行く場合、など全然違う想定での準備が大変だったそうだ。(対馬での研修も実施)
災害救援活動も色々で、普賢岳噴火で熊本の津波を心配したり、倒木の対応をしたりしている。台風一過の際、駐屯地の講堂が破損してしまったことがあり、当日の慰霊祭に突貫で備えたりしたこともあったとか(野外炊飯器で食事を出した)。
超大型ロケット「長征7号」と宇宙ステーション「天宮」(田中三郎)
先日、長征5号の打ち上げ成功がニュースになったが、この記事は6月の長征7号の打ち上げ成功をうけてのもの。
海南島に打ち上げ基地を作ったのは、軍事力強化の裏付けがあってのことという分析は軍事雑誌らしい分析。