k-takahashi's blog

個人雑記用

不死身の戦艦 銀河連邦SF傑作選 (創元SF文庫)

 

銀河連邦(ここでは銀河帝国も銀河連邦も区別しない。恒星間に広がる社会組織の総称)をテーマにしたアンソロジー。原著は2009年なので、最新SFというわけではない。

16作品収録で、内容も幅広い。シリーズものの一部をなすものもあれば、独立したものもある。

 

シリーズものだと、マキャフリーの「還る船」が「歌う船」シリーズの、オーソン・スコット・カードの「囚われのメイザー」が「エンダー」シリーズの一部になる。エンダーの方は、ああそういうことだったのか、と腑に落ちる。

 

いちばん笑ったのが「星間集団意識体の婚活」(ジェイムズ・アラン・ガードナー)。婚活である。そして婚活する主人公がなんと銀河連邦。ルームメイトに相談しつつ、結婚相手となる銀河連盟を紹介してもらう、というとギャグSFかと思うが、バカSFではあるがギャグではない。オチは確かに想像出来るが、経緯が愉快。

 

「婚活」はともかくとして、主人公が人間でない話も多い。連邦で活動するエイリアンや異形も色々。独立活動する宇宙船や官僚組織がAIだなんてのも幾つかある。そうかと思うとベタベタなくらい現代地球人な主人公もいる。(正直、読んでいてホッと一息付けるのはこのタイプ。本書だとソウヤーやアレン・スティール。アンソロジーには必要だよね。)