k-takahashi's blog

個人雑記用

ゲームメカニクス大全 ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け

 

原題の"Building Blocks of Tabletop Game Design"の方が内容は推測しやすい。ゲームシステムを作り上げる部品(Buliding Block)を事典的に整理して解説している一冊。

部品が全部で184種類あり、それをの13の章に分けている。「構造」「ターンオーダーとターン構造」「アクション」「解決」「ゲーム終了と勝利」「不確実性」「エコノミー」「オークション」「ワーカプレイスメント」「移動」「エリアコントロール」「セットコレクション」「カードメカニクス」の13個で、それぞれが十位の小項目に分けられていて、それが数ページずつ。なので、全体としてはかなりボリュームがある。

 

また、個々の部品についても、それはどういうものか、関連・類似するメカニクスとの違いはなにか、どのような意図で使われることが多いのか(あるいは使われないことがあるか)などを整理している。結局同じことになるが、プレイヤーにとっての分かりやすさテーマとの相性などが異なるケースも解説される。

加えてそのメカニクスを採用している代表的なゲームとそこでの使い方も紹介しているので、「ああ、あれね」というのがすぐに分かるのも助かる。

 

で、本書の使い方は、もちろんゲーム教養として読むとか単純に面白いとかもあるが、それ以外に大きく二つ思いつく。

一つには、ゲームのシステムを理解したり解説したりするときの道しるべとして非常に役立つ。このメカニクスはどういう意図で使われているか、どういう効果を狙っているかを言葉にするときにものすごく役に立つ。

もう一つには、ゲームを改造・改良あるいはデザイン・デベロップするときに、それに類似するシステムを探したり、使用上の注意点を確認したりするのにも使える。

 

また、末尾には「参考ゲーム一覧」があって、どの項目で言及したゲームかが分かるようにリスト化されている。ここで数行に渡るリストが付いているゲームはやはり遊んでおく価値が高いものとなるだろう。

また、あとがきにあるように、自分の気に入ったゲームの類似作を探すのにも使える。

ゲームシステムとかに興味のある人なら持っていて損のない一冊。