k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2023年7月号

 

軍事研究 2023年 07 月号 [雑誌]

軍事研究 2023年 07 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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「ロシア・ウクライナ軍の作戦と戦術」(葛原和三)は、キーウ包囲戦とイジューム反撃を例に両軍の差異を解説した記事。もちろん、状況は刻々変わるので執筆時点での分析。機動戦の基本は捜索/拘束/機動/打撃だとしたうえで、両軍の行動の比較を行っている。現在行われているウクライナ軍の反攻もまた、この機動戦の枠で評価されるのだろう。

 

「海自主要部隊の課題と展望(3)」(香田洋二)は、海自発足時から続く「海自の基本任務とは」論争を踏まえて護衛艦隊編成と対潜戦整備の経緯を解説。そもそも発足時点から海上保安庁出身者と海軍出身者とで方針に違いがあり(これは、警察と軍との視点の違いに起因する)、海原治による海上交通保護否定論を経て現代に至っている。

 

フィンランドNATO加盟と核共有政策」(神奈川圭)は、プーチンがなぜベラルーシ核配備を決定したかの分析。フィンランドNATOに加盟し、そのフィンランドにF-35Aブロック4(核搭載可能)が配備されたことに反応したのではないかという説。

 

スーダン救出作戦を法的に分析」(稲葉義泰)は、4月にスーダンで行われた自衛隊機による在留邦人退避作戦の分析。アフガンで露呈した課題を2022年の自衛隊法改正でかなり解消した(邦人の定義拡大、安全性規定改正)ことで迅速化できた。一方、領域国の同意が得られない場合の要件整理はまだ未完(現行の憲法解釈では、自衛権行使として自衛隊が救出活動はできない)