k-takahashi's blog

個人雑記用

コミックマーケットへようこそ 準備するから準備会

 

3000人のボランティア集団をまとめるコミケット準備会について色々紹介している本。

組織と各組織の活動、関連企業、共同代表の活動、などをインタビューを踏まえてまとめている。第7章が「コミケの危機」で、幕張メッセ騒動、発火装置、米澤代表死去、黒子のバスケ事件、TPP、オリパラ&コロナ、を扱っている。

 

全組織を紹介している。苦労や工夫の内容も、「そうだね」も「そうだったのか」の両方があって面白い。

 

当時の記憶が全然残ってないことから、「記録を残さなければ」ということで始まったのが「記録班」。

参加者の記憶を記録にするというビジョン(思い)があり、コミックマーケットを正しく理解してもらう素材を提供するというミッションがあり、素材を所有し、持っているということをバリューにするのが記録班ということになります。 (No.491)

 

入り口担当で面白かったのがこの部分。

同時にコミケに参加しない、という人々の対応も請け負う。
「実はこちらが意外と多くて。出勤やランニングをされる地域住民の方々といちばん関わる部署でもあるので、ことさら丁寧に対応してね、ということも話しています」(No.864)

 

企業対応部にあった、企業スペース誘致についての記録

当時の代表だった米沢が誘致に賛成したんです。理由は、権利者の人たちを巻き込んでいくことで、パロディ・二次創作の存在をまずは理解してもらって、そのうえで受け入れてもらえるように働きかけるためでした。実際、その結果はかなり出ていると思います。(No.1155)

TPP危機のときに効いた項目の一つなのだろう。

 

関係企業のインタビューもある。りんかい線だと、展示場駅の混雑が激しくなると列車を隣の駅に止めてもらうなんてこともするのだそうだ。新人は「夏コミまでには一人前になってね」と言われるそうで、先輩達が展示場駅などに駆り出されるので他の駅の対応を任されるのだとか。

 

単純にエピソード集として面白いし、コミケってなんだと考えるネタ集にもなっている。