k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2024年3月号

 

軍事研究 2024年 03 月号 [雑誌]

軍事研究 2024年 03 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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「次期戦闘機日英伊共同開発の闇」(小林春彦)は、F2後継機とタイフーン後継機の共同開発プロジェクトグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)についての記事。「闇」などと物騒なタイトルが着いているが、国際プロジェクトが日本の国益にかなうかの注意点を解説している。

既に、英伊は色々と観測気球を上げているし、広報も色々行っている。あとは、F-2の製造ラインが閉じているのに対してタイフーンの製造ラインは維持されている。開発完了スケジュールで足下を見られるのではという懸念がある。一方で、英国はサウジへの輸出を狙っているがこれを交渉材料にすることを検討する案も示している。

なんにせよ、国際プロジェクトは難物。

 

「導入なるか、対レーダーミサイルAARGM-ER」(稲葉義泰)は、反撃能力の保有に必要なSEAD向けのAARGM-ERの解説記事。記事は対レーダーミサイル能力の話が中心だが、当然全体の構図の検討が必要となる。

 

「サイバーセキュリティは前方防御へ」(茂田忠良)は、サイバー防御の解説。米英のアクティブ・サイバー・ディフェンス(ACD)と日本の「能動的サイバー防御」のズレを解説(脅威源に対する反撃が含まれるかどうかという大きな違いがある。)したうえで、「能動的サイバー防御」の用語は使わないかあるいはきちんと定義するよう指摘している。

 

「統合作戦の先駆け、水陸両用戦」(湯浅秀樹)は、掃海隊群の任務と展望の解説記事に前編。従来任務の機雷戦に加えて水陸両用戦を担当することになったが、そのうちの両用戦関係を扱っている。能登半島地震での海からの支援も両用戦に含まれる。今世紀になってからの中国軍の活動拡大を受け、2011年に「健軍会議」としてスタート。米軍のマニュアルを参考にしたが、指揮系統などは日本流にアレンジした。他に米軍は海軍と海兵隊で実施できるが、日本では空自も統合しないといけないという違いがある。