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軍事研究2024年5月号

 

軍事研究 2024年 05 月号 [雑誌]

軍事研究 2024年 05 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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ウクライナ軍反転攻勢「失敗」の理由」(渡部悦和)は、昨年夏のウクライナ軍攻勢の分析記事。戦力集中不足(バフムトに向けた戦力が大きすぎた。その戦力も集中が遅れてロシア軍に準備時間を与えてしまった)や航空優勢不足(機動戦の前提として防衛線弱体化が必要。通常は空軍を用いるがウクライナ軍に航空優勢を獲得するための空軍力はない)がある。これは西側の援助不足が遠因としてある。この援助不足がハマスの攻撃でさらに悪化する。

ウクライナ無人兵器/ミサイルの実戦録」(山形大介)は、ウクライナ軍の活動歴の紹介。砲兵戦を有効に戦うためのドローンの役割は大きい。

「露A50撃墜、AWACSは生き残れるか」(石川潤一)は、早期警戒管制機撃墜の解説。もちろん詳細は公開されていないのだが、両機は現在のトレンド(小型化、ロトドーム撤去)とは違う方向に進化した機体であることに注意が必要だが、この問題は日本も直接関連してくる。

 

「中東テロ勢力 3つの系譜」(黒井文太郎)は、中東テロ組織の3つのタイプ、イスラム勢力、パレスチナ武装組織、イラン系組織がある。今回のガザ紛争はカッサム旅団とPIJが起こしたもので、その背後にいるのがイランの工作機関コッズ部隊。

 

「世界が期待する日本の機雷戦部隊」(川上康博)は、機雷戦の現在と未来の解説。機雷も技術革新が進んでいるが、だからといって旧世代機が無力化したわけではないところが大きな違い。中共が台湾を侵略するならば台湾へ機雷をばらまくのは確実で、それは台湾救援を妨げるのみならず、日本近海にも漂着する。また、これにより海上保安庁の活動が低下すれば、それを好機とみて尖閣諸島の占拠を目論む可能性もある。

 

「演習場は陸上自衛隊の道場」(渡邊陽子)は、演習場整備という地味な活動のレポート。公道を走る前に、念入りすぎるぐらいに洗車しているのだそうだ。また「道場」という言い方は、自分が訓練するための場所は自分で整えるという意識とのこと。この辺はいかにも自衛隊っぽい。