- 作者: 矢島尚
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: 新書
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レンタカー、玉川高島屋、キシリトール、タマちゃん、などを題材に、PRの内容を具体的に説明してくれる。実際、広告とPRの違いを明確に説明できる人は少ないだろう。
また、世耕弘成氏の著作*1にも危機管理の重要性が書かれていたが、危機管理はPRの一環であるが広告ではない、それをどうするか、という点も説明されている。割と身も蓋もない話も多く、「メディアの本質は妬み」という項目では、
まず、メディアにはどうしても「妬みの構造」があります。いわゆる権威や権力、有名人、エリート、お金持ちといった存在に対しては潜在的な反感を持っています。ですから、何かいったん不祥事が起これば、社会的リンチのようなことが行われるわけです。(p.148)
あるいは、記者の誘導尋問的質問に対しては、
対応の際に特に気をつけるべきなのが「相手の言う言葉をオウム返しに使わない」ということです。例えば記者が「それは組織ぐるみじゃないですか」「隠蔽体質と言われても仕方ないのではないですか」などという質問をぶつけてきたとします。そのときに、先方の使った言葉を繰り返して「組織ぐるみということはありません」「隠蔽体質はありません」というのは駄目です。
否定的な物言いを否定すると、そのコメントが使われた場合の印象が悪くなるのです。こういうときには「そんな事実はありません」と答えた方が良いのです。そうしておけば、その部分だけを切り取って放送することはできなくなります。(pp.153-154)
最後の部分なんかは、暗黙のうちに「勝手な編集による操作が行われているから注意せよ」ですな。
一部メディアがプラップジャパンを攻撃したのは、要するに自分達が使ってきた「引っかけ」が通用しなくなってきたことへの恨みなのだろうな。
*1: