k-takahashi's blog

個人雑記用

ウォーゲーム日本史 22号

付録ゲームは『群雄割拠』(デザイン:砂漠のキタキツネ)。戦国時代を背景に、各ターン毎に異なる勢力を担当して勝利得点を競う、という『ヒストリー・オブ・ザ・ワールド』タイプのゲーム。ただ、この勢力担当をスピーディーに行う工夫がしてある(ターン毎にランダムではなく、ある程度計画的に取りに行ける)。
他にも、プレイ目標時間1時間を目指して細かい工夫がしてある。得点を一部隠蔽しているのも、キングメーカー対策と同時に、時間短縮を考慮したものだそうだ。


デザイナーによれば、このゲームの狙っている面白さは、

戦国大名』でもっとも楽しかったこととしては、『新戦国大名』で強調されているようなプレイヤー同士の厳しい駆け引きというよりはむしろ、1〜2国持ちの大名が5〜6国持ちの大大名になる成功体験のような、一種のワクワク感を味わうことだったように思います。
(p.20)

といったことで、足の引っ張り合いよりは「競争」のイメージのようだ。


史記事は、冒頭の『新しい戦国時代を目指して』(宮永忠将)が面白い。
一般に「信長の特殊要因」とされている「経済力の重視」「キリシタン保護と南蛮貿易」「既存宗教の否定と弾圧」「兵農分離」「家臣団(方面軍)システム」などは、実際には他の大名もやっていることだったり、信長が他を圧倒する規模の大大名になったから可能になったことだったりして、信長の専売特許ではなかったという見方を記している。
そして、

少なくとも元亀年間を見るなら、覇者への道は誰に対しても平等であったのだ。(p.5)

と結んでいる。
これ、どの程度主流の見方なんだろう? 戦国ゲームを作るときには「信長の特殊性」って割と普通に使っている概念なので、影響がどうなるか知りたい。