k-takahashi's blog

個人雑記用

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る

「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

ニセ科学、ニセ医療に関心のある人には、多分目新しい情報はほとんどない(はず)。本書の意義は「本」として書店に並ぶことにある。
ニセ医学批判としては『代替医療のトリック』*1代替医療解剖*2)という定番があるのだが、翻訳書であるために、日本での事情にどんぴしゃりというわけにはいかなかった。そこに本書である。

もしかしたら、掲載した例があまりにも荒唐無稽なので、こんなものに騙される患者さんが本当にいるのだろうかと疑う方もいるかもしれない。ところが、病気は心を弱らせる。元気なときなら「こんなものはインチキだ」と冷静に判断できる方でも、病気で弱ったときには「もしかしたら効くかもしれない」と思ってしまうものなのだ。患者さんの不安につけ込むニセ医学の基本的な手口をあらかじめ知っておけば、いざ病気になったときも騙されにくくなるだろう。ご自身の、また大切なご家族やご友人の健康を守るための一助になれば幸いである。
(はじめに、より)

まず、ニセ医療業者がよく使う「日本人は薬漬け」「抗がん剤は毒」「ワクチンは有害」「病院での出産は不自然」といったデマを検証する。
そして、ホメオパシーデトックスといったものの実情を紹介。最後にニセ健康法の検証(水商売、血液型ダイエット、とぎ汁、など)と並んでいる。


ニセ医療にひっかかって不幸になる人を一人でも減らしたいというのが著者の目的。なので、語り口もそういうことを意識したものになっていて、全体的に控えめなトーン。そういう意味では、私は想定読者ではないのだろうな。


この本が置かれるべきなのは、まずは書店の健康・医療コーナーなのだが、それに加えて病院や健康関係の施設、人間ドックなのかもしれない。
近くの病院は、寄贈とか受け入れてくれるかなあ。もっとも、下手にそんなことをするとニセ医療本が大量に送りつけられる危険もあるか。

*1:

代替医療のトリック

代替医療のトリック

*2:

代替医療解剖 (新潮文庫)

代替医療解剖 (新潮文庫)