- 作者: ドゥーガル・ディクソン
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/03/19
- メディア: 単行本
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帯には「恐竜の食し方」とか「恐竜の一番美味しい部分はどこ?」とか煽りが入っていますが、最初の約100ページは地質的なお話。その次の50ページは、植物と小動物。恐竜が登場するのは後半から。
逆に言うと、恐竜以外の情報として周辺環境についても入念な解説があるということ。地形や海の様子、気候についても分かるし、植物についても、「まだ米、小麦、トウモロコシなどは存在しない」「広葉樹林も存在しない」など見落としがちなポイントも丁寧に解説されている。この時期主流のシダ類については、現在の人間はほとんど食べないため、食べ方の見当が付かないという指摘には納得。
恐竜が登場してからも面白い。「オオカミ大の肉食恐竜にとって、あなた(人間)は食用」という注意もあるし、鳥脚類(草食)と獣脚類(肉食)の見分け方(腹の大きさや頭の形がポイント)などもある。
捕まえた恐竜の解体の仕方、皮のはぎ方、なめして革にする方法も解説されている。現在ではタニングに狩った動物の脳みそを使うのだが、「恐竜の脳は小さい」ので足りなくなるそうだ。(ちなみに、卵を使えばいいらしい。植物は、タンニンの多い植物は広葉樹なので入手困難。)
で、冒頭にこの本は「究極の現実逃避」なのだと書いてありますが、われわれには有用に使うことができるでしょう。
恐竜をさばいて肉を食う『恐竜時代でサバイバル』 - まりおんのらんだむと〜く+
そう、シナリオのネタにするのだ。
ということで、ドラゴン・パスで恐竜の出てくるシナリオに使おうと思う(*)ので、そのシナリオに参加する方は読まないでおいてください(笑)。
というエントリーで知って買ったのだが、たしかにドラゴン・パスなら使えそう。SF系だと、道具は持ち込むからなあ。でも生態系検討の教科書としてだけでも充分楽しい。
著者のドゥーガル・ディクソンは、「アフターマン」や「フューチャー・イズ・ワイルド」などの著作で知られる古生物学者。著者のページ http://www.dougal-dixon.co.uk/ のトップには、色鮮やかなステゴサウルスのイラストが飾られています。
日本でのイベントにも何か協力したことがあると書いてあるけど、なんだろう。