k-takahashi's blog

個人雑記用

SFマガジン2009年7月号

S-Fマガジン 2009年 07月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2009年 07月号 [雑誌]

 特集は、劇場版スタートレック堺三保氏の「J・J・エイブラムス論」が面白い。「LOST」で時系列をシャフルして「答え合わせの面白さ」を提供しておきながら、本作においてはその逆をいったのだそうだ。しかも、既存のファンを満足させたというから凄いな。久しぶりに映画館に行ってみるか。


 裏特集というべきなのが「追悼:伊藤計劃」。目玉は「死者の帝国」の冒頭30枚。あえてこの未完成原稿の断片の掲載に協力していただけた河出書房とご遺族の方々に感謝。
 フランケンシュタイン技術者J・H・ワトソンが諜報員として世界を駆けめぐる話になるはずだったそうで、死体に霊素(スペクター)を書込(インストール)ことで死者をフランケン化することが可能な世界。ヴァン・ヘルシング教授がロンドン大学で講義をする場面から始まる。
 ああ、なんか面白そうだ。完成版が読めないのが残念。


 昨年度のネビュラ賞ノヴェラ部門受賞作、ナンシー・クレスの「齢の泉」も掲載されている。バイオSFということになるのだろうけれど、それを背後に置いてストーリーはハード・ボイルド調に進んでいく。うまいな、この人。
 ググってみたら、短編集が先日発売になっていた。