タンクライフRPG ダークブレイズ (Role&Roll RPG) (Role&Roll RPGシリーズ)
- 作者: 加藤ヒロノリ,グループSNE
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: 大型本
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ナウシカ風の背景世界で、ブレイズコアが吐き出すダークブレイズによる汚染で世界文明は崩壊、その後に、ダークブレイズを利用・浄化するユグドラシルエンジンが開発された、という設定。これを用いて、旧世界の遺物を探し出したり、街への脅威を排除したりするのがPC達の役割になる。
このユグドラシルエンジンを積んだ移動装置がシャーウッドと呼ばれる移動戦車。戦車と言うよりは武装キャンピングカーですが、生身の人間がダークブレイズに満ちた世界に入っていくことはできないので、このシャーウッドで目的地まで移動し、ドライアドという短時間のみ浄化能力を持つ精霊を携えてダンジョンに潜り、問題を解決する。
ということで、目的地に移動するまでがタンクに乗っての活動、到着してからはPCによる活動となり、PCの活動には時間制限があるということになる。
素直にボードゲームしてしまった方がいいような印象を受けたし、ルールブック中にも、なんならマスター無しでもという記述がある。
行為判定が少々変わっていて、
- 基準値の決定:判定に用いる能力値とスキルを決定する
- 難易度の決定:0〜6の範囲で難易度を決定。2で訓練を受けていれば成功が見込める、4で素人には不可能、となる。
- 行為修正:状況から受ける影響を+3〜−3で「行為修正」として設定する。
- ダイスロール:3+行為修正の絶対値 の個数のダイスを振る。行為修正がプラスなら有利な目を3つ、修正がマイナスなら不利な目を3つ、修正がなければ3個のダイス目をそのまま採用。
- 成功度の決定:基準値として設定した能力値以下の目のダイス個数 + スキル値以下の目のダイスの個数の合計が成功度となる。さらに、3つのダイス目が全て1か2ならクリティカルとなり成功度に6を加え、全て5か6ならファンブルして成功度は0となる。成功度が難易度以上なら判定は成功。
例えば、
- 運動(能力値)と冒険(スキル)で判定と指示。運動能力値は4、冒険スキルは1とする。
- 難易度は4
- 取得済みアイテムの利用で行為修正+1
- ダイスを4個振る。出目は、1,3,4,6とする。行為修正がプラスなので有利な目を3つ選ぶと、1,3,4。
- 運動能力値(4)以下の目は3つ、冒険スキル(1)以下の目は1つなので、成功度は4。
- よって、判定成功
となる。
2つの基準値を使うだけならともかく、行為修正を行うとどのくらい影響するのかが分かりにくい。行為修正があるとファンブル/クリティカルの確率がかなり上がり、成功度の上下もするのですよ。1でも結構違いが出る。あとは、ダイス目を操作する方法があるだろうと思ったのだが、あまり表だったルールには入っていない模様。
能力値が2〜4、スキル値が0〜2あたりだとそこそこうまく機能しそうな気がするが、TRPGはどうしてもこの手の数値をインフレさせがちなので、そうなるとファンブルするかしないか大味な判定になってしまうかもしれない。
一方でこのゲームは「みんなダイスを振ろう」的なデザインもされている。上述のドライアドには「機嫌」が設定されており、この機嫌の変動要素の一つは「ドライアドと相性の良いキャラがクリティカルを出す」「相性の悪いキャラクタがファンブルを出す」なのだ。だから、ある程度クリティカルやファンブルが出るのはむしろシステムが期待しているところでもある。
こうなるとシナリオバランスへの要求がわりと厳しく求められるように見える。ノンGMタイプのプレイスタイルのことも含めて、チャート類で指定されている部分が多いので、これがきちんとバランス取れている必要がある。 まあ、この辺はSNEだから大丈夫とは思うが。
モンスター、特にゴブリンのイラストが可愛い。