k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2009年9月号

軍事研究 2009年 09月号 [雑誌]

軍事研究 2009年 09月号 [雑誌]

 特集は、半島からの侵攻、中国の核ミサイル。半島からの侵攻というのは、なんらかの要因で米軍の航空優勢が維持できずに北朝鮮が順調に韓国に侵攻したらという想定での分析。連載の1回目で、たぶん後半は「日本どうする?」になりそう。


 先日のオバマの核軍縮スピーチに絡めて「核燃料バンクとオバマ軍縮の実態」という記事が載っていた。李策という聞き慣れないライターによるもので、あまり核関係の専門家には見えないのだが、こういう記事も書く人なのか。
記事の内容は世界的な原発建設の増加にNPT体制がどう対応するか(核兵器拡散にどう対処していくのか)という話。少々嫌な予想が書かれていたので、その部分を。

日本の原発メーカーが外国に進出するためには、日本とその国が原子力協定を結んでいなければならない。また、日本政府がそのための交渉を始めるには、相手国がIAEAの追加議定書を批准していることが前提条件となる。
追加議定書とは、IAEAによる保障措置(原子力の平和利用の確認)制度を強化するためのもので、これを批准すると、現行の保障措置協定において認められていない場所等への補完的なアクセスなどを、当該国家はIAEAに認めなければならない。
ところが、新たに原発導入を計画している国々は、仮名rずしもこれを批准していない。たとえば、中国に次いで需要の大きいインドやエジプトなどは、追加議定書に署名する意志のないことを明確にしている。
その一方で、日本のライバルとなるフランスやロシアは、原子力協定の締結に当たって追加議定書の批准を絶対条件にしているわけではない。これは、技術力に秀でる日本メーカーが海外進出競争において、著しく不利な状況に陥りかねないことを意味する。(pp.81-82)

で、金に目がくらんでIAEAの監視をないがしろにすればそれは核兵器拡散につながりかねないという指摘。兵器転用しないことをどう証明するかは日本が散々苦労して積み上げたノウハウがあるわけだが、政治の前には無力なのかもしれない。


 他にNH90の解説(生産数1000機を突破する勢いだとか)が面白かった。
写真付きでは、シンガポールの海軍兵器ショーが興味深い。シンガポールの最新鋭艦フォーミダブルの勇姿もカラーでしっかりと。