k-takahashi's blog

個人雑記用

知られたくなかった2012創造説

知られたくなかった2012創造説

知られたくなかった2012創造説

 2012年と言えば、マヤ歴かフォトンベルトが双璧で、加えてアセンションというのが相場。本書はアセンション系の一冊だが、ちょっと毛色が違う。


 2006年に「先生」は創造主から「今から6年後に地球を滅ぼす」というメッセージを受け取った。この世界はもともと善悪のバランスを配慮して創られた。しかし、悪の手先センバラーは、人間に働きかけて悪の行動をするように仕向けている。そしてそれは非常にうまいくいき、バランスを崩すほどに傾きつつある。創造主はとって地球は特別に気に入った星だが、放置できないと考えリセットをかけようと思ったのだそうだ。これが地球リニューアル論で、悪に染まった人間は魂が汚れてしまい救済できない。悪に染まるのではなければ、人間という器は滅びても魂は救われる。創造主にとっては魂を滅ぼすのはいやだが器を壊すのはたいした問題ではない。よって、人間を滅ぼすのは別に問題はないということになるらしい。


 これに異を唱えた「先生」に創造主はメッセージを送る。世界の中でわずかに十二カ所、何者にも汚されていない清浄な土地があって、そこに住むほんのわずかな部族だけが生き残る対象になっているが、そこに住むクリスタルチルドレンを見つけ出せば地球は救われるというのだ。善の使者ワンダラーの助けを借りて「先生」たちはチルドレン捜しを始める。


 一方で、センバラーにそそのかされた人たちはニューメキシコの地下に14万人収容の巨大宇宙船を作り自分たちだけ助かろうと画策する。さらにセンバラーの手先も2012年までにできるだけ多くの人たちを魔界に引き込もうと暗躍している。どちらも善に敵対する連中であり、「先生」たちは彼らの妨害とも戦わなくてはならないのだ。そのため、本書の情報は一部故意に変更してある。妨害を避けるためだそうだ。(だから、所々矛盾があっても気にしてはいけないということになるのだろう。)


 なお、人類は、進化によって生まれた生物ではなく、6000万年前にワンダラーが地球へやってきたときに魂の入れ物として作ったのが起源だそうだ。その後何度は人間は堕落し、過去に3回創造主はリセットをかけている。4900万年前、2800万年前、そして1万5千年前。この最後のときが アトランティスやムーに相当するとのこと。


 本書は、十二人のクリスタルチルドレンの一人目を見つけるまでを描いたノンフィクションである。


 とまあ、ありがちな話なのだが、地球温暖化についての説明が面白かった。本書によれば、地球温暖化の原因は鉄鉱石の過剰採掘によるもの。そもそも、鉄鉱石は太陽光を反射するために地球に置かれたものなのに、それを採掘してしまったのが温暖化の原因なのだそうだ。
 さらに、フォトンベルトは実在し、フォトンベルトに太陽が近づくと太陽活動が活発化する。これも温暖化の原因になっているそうだ。

 なお、フォトンベルトは創造主が作ったもので、これは定期的に悪を洗浄するための仕組み。実は数年前に、創造主は地球がフォトンベルトに入るタイミングを少しだけ遅らせてくれた。そのときに時間の進み方が変わってしまったため、限界と思われていたスポーツの記録が更新できるようになったとのこと。

 あと、昨年のチベット暴動は、「先生」たちがクリスタルチルドレンの住むチベットに行くのを妨げるための何者かの陰謀だという示唆もあった。なるほどねえ。


 文章は思ったよりも手慣れた感じでまとまっており、この手の本としては読みやすい方に入ると思う。


 しかし、本書最大のポイントは、実は本文ではなく帯である。

さすがに、鳩山氏が本書の内容を信じているとは思えず、推薦文も慇懃無礼といったところ。が、本書の発売は今年の2月。小沢献金問題の前とは言え、次期総選挙での民主党勝利と鳩山入閣が確実視されていた状況で、こういう申し出を断れなかったということは、鳩山氏の周りでオカルト紛いの連中が発言力を持っている可能性を示唆する。
 大丈夫とは思うが、こういうのは早めに排除しておいた方がよいと思うよ。