- 出版社/メーカー: ジャパンミリタリーレビュー
- 発売日: 2009/12/10
- メディア: 雑誌
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実戦部隊はローテーションさせ、それを統合して運用するための機関ということらしい。 一方できちんと訓練設備とかは作っている。
オバマ政権によるMD関連予算削減の解説記事(「オバマ政権のMD事業仕分け」(野木恵一))もある。これをさしてMDは終わりとぬか喜びしたメディアもあったが、実際のところ、目処が立ちにくいもの、不急のものを後回しにして、すぐに必要になるモノに注力しただけだということを解説している。
例えばMKVという多弾頭ミサイル対応の迎撃システムについては、当面の脅威である北朝鮮・イランに当分そのシステムが無いことから後回しにされただけだし、高エネルギーレーザーは当分実用化しないということで後回しにされている。そして、いずれも将来の脅威顕在化の際には再開できるようになっている。
面白かったのが鈴木基也氏の「モノ作りの初心に戻れ、新GPS衛星開発」という記事。
GPSが使えなくなると言うニュースが一時期メディアを賑わせたが、あれがどういう経緯で出てきた情報で、その背景が何かを解説している。もともとは、GAO(米国政府説明責任局)という組織が発表した報告書。この報告書には重要な部分が二つあり、一つ目が次世代GPS衛星(ブロックII F)衛星開発が苦境に陥ったかの分析、二つ目が次々世代GPS衛星の現状報告。これらがともに問題であり、その問題が解決しないとGPSに深刻な問題が発生する恐れがあるという内容である。ここの部分が大騒ぎになった原因。
今月号では一つ目の内容の解説となっている。
要は、管理責任の不明確化とオーバースペック要求なんですが、それが細かく描写されている。なんか、日経コンピュータの「動かないコンピュータ」を読んでいるかのようだ。ただ、最大の問題とおぼしき「TSPR(統合システム運用責任)」のどこがどのくらい悪かったのがちょっと分かりにくい。悪影響の分析が不十分だったのが悪いということなのだが、管理のどの部分がどのくらい悪化したのかが読んでもよく分からなかった。ITシステム開発のことばかりが頭にあるせいなのかなあ。