k-takahashi's blog

個人雑記用

はやぶさの大冒険

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

 「メタルカラーの時代」の山根一眞氏が、「記録だけは取り続けなくてはならないという思いで、宇宙科学研究所への取材は続けていた」(p.289)素材を、「中学生でもわかるように」とまとめたもの。

私が「はやぶさ」の7年間を書くことになったのは、「はやぶさ」の情報が乏しいからではなく、「はやぶさ」の情報が溢れすぎていることも理由の一つだった。長年にわたり記事や本を書いてきたが、こういう経験は初めてだ。
はやぶさ」のプロジェクトはどのように進んできたのか、JAXAはどんな発表をし、チームはどんな思いでこの仕事に取り組んできたのか、主役達はこの7年間にどんなことを私に話してくれたのか、それらを整理し、時間の流れに沿ってできるだけ詳しく、しかしできるだけわかり安く書くことで、読者の皆さんがインターネット上にある膨大な「はやぶさ」情報を興味に応じて探し出すことができるようにと考えたのである。(p.288)

という意図からか、その当時世相はどうだったか、という話が随時書き込まれている。そうだなあ、イトカワ到着って、郵政選挙の頃だったよな、とか。

 リアクションホイールの故障原因追求の経緯(タイプAという部品であること、100機以上の実績があること、はやぶさ用の改修が4カ所行われていたこと、磁石が振動で外れないようにするためにメタルライナーが着けられていたこと、FEMで分析したところ剥がれる可能性が見つかったこと、そして実物実験を行ったこと)の部分とか、イオンエンジンのオンオフの様子が細かく書かれている部分とか、が臨場感があって良かった。