k-takahashi's blog

個人雑記用

SFマガジン 2011年02月号

S-Fマガジン 2011年 02月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2011年 02月号 [雑誌]

 ハヤカワ宣伝号、というと言い過ぎかもしれないが、本号については(別に悪い意味ではなく)本当にそういう印象の一冊。スピンオフだの、抜粋だのが多いのと、レイアウト的に各作品の直後に宣伝ページが来ているのと、が理由だろう。

 「スワロウテイル人工少女販売処」(籘真千歳)は、マリ見てのパロディかというようなちょっと変わった設定の短編(これも前日譚)。


 今号から「現代SF作家論シリーズ」という連載が始まった。色々な評論家に現代SF作家、現代の視点で再読に値する作家、について語ってもらおうというもので、2年間の予定だそうだ。

現在ではまったく逆に、SF的思考がそれこそネット社会のすみずみに浸透した結果、SFは二十一世紀人における文字通りの無意識を枠組み、ふだんはそれをSFとしてすら意識しないけれども、折に触れて現在世界の深淵から一挙に姿を現す「名づけがたき怪物」(安部公房)のエネルギーを回復したのではないかと考える。(p.221)

これが巽氏のいう「SF的無意識」であり、そういう時代に「SFをどう捉えるか」を「ジャンル的自意識」と名づけたのだろう。連載の意識はなるほどと納得した。

 一回目がコレなの?とは思ったけど。