コマンドマガジン Vol.100(ゲーム付)『ハンガリー戦役 1944-45』
- 出版社/メーカー: 国際通信社
- 発売日: 2011/08/20
- メディア: 大型本
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さて、付録ゲームは「ハンガリー戦役」(ハビエル・ロメロ)。ルーマニア脱落(1944年8月)後、コンラート作戦(1945年1月)、から終戦までの期間を扱っている。
面白かったのがリプレイ記事にあった前口上。
初プレイの新鮮さを奪うような必勝法探求や作戦研究ではなく、多忙な社会人ゲーマーに初プレイアでの間の疑似経験として楽しんで頂くとともに、ルールを一読しただけでは頭に入らない点を、具体的な部隊運用や特徴について触れていきます。(p.22)
また、28ページの突破前進の実例が面白い。
後続突破では、突破が発生した(防御側全滅)ヘクスを経由することを条件とした、敵ZOC完全無視での半減移動が許されます。(p.28)
独軍攻勢シーンでも使えそうなルール。
野獣げぇまぁは、物語性の話。
「外側の物語」(ゲームの前提となる物語。このホビーだと史実)と「内側の物語」(プレイによって作られる物語)、という用語を紹介して、解説をしている。(「内側の物語」を強引に外側の物語に沿わせようとするルールを「陰謀ルール」と呼ぶ、とか。)
CDSの課題もこの用語を使うと、
外側の物語から抽出されたゲームシステムによって再帰的に語られる内側もの物語という伝統的なシミュレーションゲームの技法に対し、CDSはぶつ切りにした外側の物語を内側の物語に挿し込む(文字通りカットインさせる)構造をしている。(p.47)
と表現される。
100号記念でゲーム記事目録がついているのだが、これはぜひ電子化して公開して欲しい。