k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2011年10月号

軍事研究 2011年 10月号 [雑誌]

軍事研究 2011年 10月号 [雑誌]

カラーページにシリア関係の写真。黒井文太郎氏提供によるもので、解像度が低いから良いがかなり刺激の強いものも含まれているので注意。


『23年版防衛白書の疑問符』(福好昌治)のトモダチ作戦に関する記述でこんな部分があった。

「調整メカニズムに準じる形」という部分は、微妙な表現である。調整メカニズム全体が機能したのではなく、その構成部分である日米共同調整所(自衛隊と米軍によって構成される。今回の東日本大震災の対応では、日米調整所と呼ばれた)がうまく機能した、という意味ではないか。調整メカニズムは防衛省・外務省を中心とする政府全体で運用されるメカニズムであるが、東京電力のような民間企業は組み込まれていない。そのため、調整メカニズムでは原発事故には対処できない。(p.31)

ようするに政府の側はダメだったということかも。
また、大綱本文についても

基盤的防衛力構想は廃止するが、脅威対抗の考え方も採用しない、という考え方になっている。これでは我が国には、防衛力整備構想が存在しないということになる。平成二三年版「防衛白書」の回答は論理的に破綻している。(p.33)

島嶼部に対する攻撃とは、どのようなシナリオなのか、「防衛白書」で例示して貰わないと、島嶼部への攻撃にリアリティを感じない。(p.36)

など問題を指摘している。


『現地取材 次世代型スーパーホーネットSHIRの新技術』(石川潤一)の記事中に、例の一機5千万ドルについてのことが書かれていたが、SHIRはその価格で出せたとしても、空自の要求に沿うオプションの価格は上積みされるだろう、とのことである。
記事中にはセンサーのことが書かれていたが、APG-79、ASQ-228、AAS-42、に加えASD-12 SHARP(共用偵察ポッド)も搭載可能だとか。随分充実しているな。

一方、青木謙知氏は、F-35の提案元であるロッキード・マーチン社のステファン・オブライエン副社長のインタビューを掲載している。(pp.67-71)


メルカバ戦車の装串と防御(後編)』(一戸崇雄)も面白かった。
第三次中東戦争の結果を受けてチーフテンの輸出改造計画で手のひらを返した英国の話から始まり、
各形式(MK1、MK2、MK2B、MK3、MK4)でどのような脅威にどのように対応したかが書かれてる。