k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2013年1月号

軍事研究 2013年 01月号 [雑誌]

軍事研究 2013年 01月号 [雑誌]

Keen Sword 2013

今年の日米共同統合演習についての芦川淳氏のレポート。訓練の中身が非公開だったため、断片情報からの記事となっている。
今年は実働演習(FTX)であり、4.7万人規模。
奪われた離島を奪還するという設定で、「西普連や第15旅団の偵察部隊などが、そこでゴムボートを使った訓練を行ったという情報もあり」(p.32)ということもあったようだ。


石川潤一氏は、同演習について嘉手納のレポート。
最新鋭哨戒機P-8Aポセイドンが注目。
また、オスプレイも参加しており、情報は公開されていないが、石川氏の推測では、SSGNへの人員・物資の輸送が見当されたのでは、としている。

ICMEX12(菊池雅之氏)

こちらは9月にペルシャ湾で行われた国際掃海訓練のレポート。
海自からは「うらが」「はちじょう」の2隻が参加。このうち「うらが」は非常に注目を集めていたとのこと。そもそも「うらが」自身が湾岸戦争後の掃海経験をもとに作られた船で、その能力の充実振りから、各国海軍から見学の申し込みが相次いだとか。(p.38)
また、9/17の「うらが」でのレセプションも、充実した日本食など、PR効果十分だったそうだ。


菊池氏の分析では、この演習は「報道されることも目的の一つ」(p.41)とのこと。

プーチンのロシア、軍事情勢2012(前編)(小泉悠)

軍事予算は公式予算の数字は減少気味だが、連邦軍向け支出は微増、その上不透明さが増している。来年度は公開部分よりも非公開部分の方が多くなりそうだとか(既に1兆ルーブルを超している)。ちなみに、国防費の対GDP比が2012年には3%を越している。


なお、記事タイトルに「国家親衛隊」という文字があるが、これはあくまでも噂。ただ、連邦軍を国内作戦に投入するという動きはあるそうだ。

中国の対艦弾道ミサイルとは何か(後編)(田中三郎)

「翔龍」という無人機の開発が進んでおり、既にロシアを凌駕するレベル。これをDF-21D対艦弾道ミサイルと組み合わせるという読み。

内陸深く誕生した戦車都市(宮園道明)

2012年5月号の記事に続いての歴史記事。第二次大戦中のソ連の工場疎開について。

兵器プラットホームに使うコンピュータを探る(井上孝司)

今回は、操縦、航法、兵站支援、ヘルスモニタリング、UI、訓練といった辺り。
井上氏の著作「現代ミリタリーロジスティクス入門」にも類似の話があった。

MTVR/LVSR

海兵隊の装甲野戦トラックの紹介記事。
CLP(戦闘兵站トロール)という、戦闘地域内でのロジ支援作戦で使われているトラックの紹介。
六輪駆動MTVR 7トン積中型野戦トラック、十輪駆動LVSR 15トン積装甲重機動トラック。
MTVRの方は、乗員キャップの上部を外すとC-130に積載可能。1万両以上配備されており、なんと同クラスの民間トラックより安いとか(13.5万ドル)。
LVSRは、大容量、重装甲、高機動というトラック。操縦性も高く、好評のため調達数は2200両を越す。

欧州戦跡紀行 エストニア編(斎木伸生)

2012年10月号の記事の続きになる。
冒頭に、今のチベットの様子を日本に置き換えた不気味な文章が記されており、

侵略され国家が覆滅されることはどんな恐ろしい結果を招くかを知ることは有益であろう。そう、それこそが今回の主題、エストニアのたどった運命なのである。敢えて強調したい。これはフィクションではない、現実に起こった歴史的事実なのである。(p.234)

と続き、エストニアの悲劇が綴られる。
呆れるほどに徹底的に人材と社会の破壊が行われている。ソ連による占領後、生き延びた国家元老は一人だけ、1941年時の予備役将校はほとんど全員が射殺、現役高級将校24人のうち19名が強制収容所に送られ死亡。