- 作者: マイケル・ケリガン,石津朋之,餅井雅大
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2012/12/27
- メディア: 単行本
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なお、幾つかは「幻」ではなく、実施したけれど失敗した作戦も含まれている。
なんといっても、全ページカラーで資料写真がたくさんあるところが嬉しい。公文書に手描きのメモが書かれていたりして臨場感は充分。
どちらかというとビジュアル重視のようで、文書量はやや控えめ。作戦を実施しなかった理由の解説がもっと詳細だともっと嬉しいかなと思った。
幾つか誤植があるのがやや気になるところ。
第1章(1939〜1941年)
この時期の未実施作戦と言えば、一番有名なのは「アシカ作戦」だけれど、「敵に先手を取られたら困るから、そこを取りに行く」という発想で立てられたものが多い。
フェリックス作戦(ジブラルタル攻略作戦)は、なんで発動しなかったのかな、と思った。(独ソ戦勃発に伴って、という理由だけれど、スペインの政治的問題とどちらが要因として大きかったのだろう?)
第2章(1942年)
この時期に、日米戦初期の日本軍の作戦が含まれている。(オーストラリア、セイロン、マダガスカル) また、爆撃機富岳もこの時期。
あとは、独軍によるアメリカ爆撃機の記載もある。作戦計画での目標が航空産業拠点中心というのが興味深い。
第3章(1943年)
この時期の作戦には、戦争終結の決定打として期待され、そしてことごとく挫折・失敗したものが並んでいる。パナマ攻撃作戦、ヒトラー暗殺計画、ロングジャンプ作戦(連合国首脳暗殺計画)や巨大戦車マウスがこの時期。
また、よくネタにされる氷山空母も出ている。(以前、「怪しい伝説」で検証していたやつですね。)http://d.hatena.ne.jp/k-takahashi/20100305/1267803690
第4章(1944年)
V兵器関係がこの時期。V2大陸間弾道ミサイルとかも。相変わらず首脳の暗殺計画も。