Newton (ニュートン) 2014年 09月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2014/07/26
- メディア: 雑誌
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「風の分布はベクトル場、気圧の分布はスカラー場」というのは、いいな。今度から使おう。
皮膚からおきる食物アレルギー(p.13)
いたんだ皮膚から食物アレルギーをおこす物質(アレルゲン)を吸収することが、食物アレルギーの原因となりうる
皮膚での感作を起こす前の食事に、アレルギーの発症を抑える効果がある
乳児の卵白や乳製品のアレルギーはこのメカニズムに従っている可能性があるのだそうだ。「食べさせない」のではなく「適切なタイミングで食べさせる」のがよいようだ。
天の川(pp.60-)
2012年に銀河系中心のブラックホールにガス雲が接近中という発表があり、2013年にブラックホールに呑み込まれるという予想が出た。
しかし、
「G2」と命名されたこのガス雲の最接近の時期はその後修正され、2014年の4月から5月頃になると予想された。しかし5月を過ぎてもガス雲には変化が見られず、G2はガス雲ではなく、重力でガスが補足された恒星なのではないかという報告もなされた。
その後6月末には、近赤外線による観測から、まだ最接近していないことを示す報告がなされた。
(p.71)
と、注視を受け続けている状態だそうだ。
昆虫採集を科学する(pp.110-)
夜行性の虫を集めるために懐中電灯を使うというのは定番だったけれど、
家庭用の明かりも、紫外線をほとんど出さないLED電球が普及してきたため、虫が寄ってくることが少なくなった。昆虫採集に使うライトにうっかりそのようなLED電球を使ってしまうと、ほとんど虫が集まらないという事態になってしまう
へえ。
空を捨てた鳥たち(pp.116-)
ダチョウや鶏、ペンギンを典型例とする「飛べない」鳥。現生約1万種の鳥類のうち、60種が飛べない鳥。
京都大学の松岡廣繁助教は「鳥類は『飛ばなくていいのであれば、飛ぶことなんて、もうやめたい』のです」と解説する。
飛ばなくても済む状況は、捕食者がいない島へ渡って住み着くと生じやすい。(p.119)
飛ぶためにそうとう無理がかかっているから、ということらしい。そして、飛ぶのをやめた鳥は大きく重くなる。
但し、飛べない鳥の進化については諸説あり、定説はないそうだ。
マダガスカル島に生息していた巨大なエピオルニス類と、そこから遠く離れたニュージーランドの島々に生息している小柄なキーウィが、最も類縁関係が近かったのだ。しかも、分岐したのは約5000万年前で、マダガスカル島が分離していた1億年前と、ニュージーランドの島々ができていた6000万年前ごろのいずれよりも最近だというのである。走鳥類の祖先は島伝いに飛んだり、泳いだりして行き来できたと考えないと、説明がつきにくい。
一方で、現生の走鳥類の生息地は、分断された大陸や島毎に分かれているように見える。そのため、大陸や島の分裂に伴って孤立した鳥が、それぞれの地で幼形進化によって飛べなくなったという考え方も根強い。
(p.121)
あと、「飛べない鳥」は絶滅しやすい、というのも面白い指摘だった。特殊な環境に適応しすぎると、という一般論の一部ではあるのかもしれないが。
ジャイアントパンダ(pp.128-)
パンダの消化管は肉食動物(クマ)と同じ。でも笹しか食べない。
そのため、消化効率が悪く、大量の笹が必要になる。