きまぐれ星からの伝言

きまぐれ星からの伝言 (文芸書)

星新一生誕90周年記念企画本。小説、エッセイ、翻訳、インタビュー、対談、講演、などを集めたもので、星新一がどういうふうにSFと関わってきたかというのが伝わってくる構成になっている。

一番おもしろいのは、「第一回奇想天外SF新人賞選考会」の小松左京・筒井康隆・星新一の鼎談記事。星新一が新井素子を推しまくったエピソードで有名だけれど、その回。デビューから30年（その辺の経緯は他の記事などから伺える）の星新一というのを踏まえると、後知恵的ではあるけれど結構腑に落ちたりもする。

あとは、「SF大会へのメッセージ」。この辺は完全にSF界向けなんだよね。普段はなんだかんだ言っても外向けのSF界の顔としての役割を期待されているからそういう風に話すけれど、SF大会は完全にそういう人しか読まない文になる。