Newton(ニュートン) 2017年 08 月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートン・プレス
- 発売日: 2017/06/26
- メディア: 雑誌
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特集
連載特集は、「素数」、「宇宙人はどれくらいいるのか」、「物質に潜む膨大なエネルギー」、「癌治療最前線」の4本。
「素数」はオーソドックスな内容で、RSAの話まで扱っている。
「宇宙人」はドレイク式の紹介と解説。天文学ベースの部分の解説で「銀河ハビタブルゾーン」の話題が出ている。(ドレイク式への影響の話はない)
「物質のエネルギー」は「E=mc^2」の解説。化学反応で質量が変わるところも紹介。
「癌治療」は、最近話題の免疫療法やプレシジョン・メデシン辺りの解説。「がんワクチン」はプレシジョンの発展のような考え方で、発症メカニズムに対応した予防をやってしまおうというもの。
筋肉
筋肉が血糖値を抑えたり、各種疾病の予防、脳機能改善などに影響しているというのは知らなかった。太ももの太さと死亡率の相関が見つかっており、筋肉が分泌する物質(マイオカイン)とその影響のメカニズムが研究されている。
このマイオカインがいわゆる「部分痩せ」に影響しているかも知れない、という話もあるそうだ。(マイオカインが首位の脂肪の分解を促す可能性、という考え方。但し、実証はされていない)
竹市雅俊博士
細胞接着分子「カドヘリン」の研究で有名な竹市博士のインタビュー。
研究のやりかたのインタビューの部分で、こういうのは大抵「信念を持って」とかいう話になるのだが、「技術的にむりなことがあって手も足も出ず、結局白旗をあげたこともありました」(p.134)という話を率直に語っている。
留学先で実験がうまく再現できなかったというエピソード(p.129)も紹介されている。生理食塩水の成分の違いという研究のヒントになった話なのだが、相当焦ったんじゃないかなと邪推したりも。