おもしろいゲームシナリオの作り方 ―41の人気ゲームに学ぶ企画構成テクニック (GAME|DEV|LAB)
- 作者: Josiah Lebowitz,Chris Klug,塩川洋介,佐藤理絵子
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちょっと古い本ですが(原書は2011年、翻訳が2014年)、ビデオゲームのストーリーについてまとめた本。著者2人が少し違った観点から色々と解説をしている構成で、なかなかひとくくりに切り取ることの出来ない問題に対して、様々な観点が提供できるようになっている。
おおきく3部に分かれていて、最初がストーリーやキャラクターについて解説(ヒーローズジャーニーといった一般論から、コンピュータゲームの歴史におけるストーリーの変化や演出技法について)。次がゲームストーリーを6つに分類(完全一本道型、インタラクティブ一本道型、マルチエンディング型、マルチシナリオ型、オープンワールド型、完全プレイヤー主導型)して、それぞれの特徴や長所短所を解説。最後に、プレイヤー主導vs一本道の構図で両者の長所短所を再確認したうえで、「では、プレイヤーの本音は?」という調査結果の説明。
少なくとも現在の市場(おそらく、今も大きく変わっていない)で大きく支持されるのは、インタラクティブ一本道型で、うまく演出してそれなりの自由を感じさせるもの。ストーリーが高品質であれば、それをプレイヤーがコントロールできようができまいが相対的には小さな問題だということ。
整理がうまくて、なるほどなあと思うところが多いので、ちょっと古いがお薦めの一冊。
私自身は、コンピュータゲームではどちらもありというところが好みだが、「FF-VIIがマルチシナリオタイプで、例のイベントが回避可能だとしたら、あれほどインパクトがあっただろうか?」と言われるとそりゃそうだと思う。
あと、岩崎啓眞先生のいう「ルーク・スカイウォーカー問題」は、あまり表立っては扱われてない。(繰り返しによる印象の希薄化という感じで出てくる)