k-takahashi's blog

個人雑記用

その仕事、全部やめてみよう

 

 ITベンチャーアプレッソのCEO、クレディセゾンのCTO、を勤めた小野和俊氏による「仕事の仕方の考え方」の本。綺麗にまとまっていて、そうだよねえと思いながら読了。

この2つは、ガートナーの言うところの「モード1/モード2」に相当するわけで、その両方をどう活かすかというところの知見は、DXを求められている企業にとっては間違いなく傾聴に値する。もちろん、「それを自分のところに、どうやって適用するか」というところが大変なのであって、そんな細かいことは当然書いてないから自分で考えるわけだが、その指針があるとないでは大違い。

 

以下、自分用メモ。

弱点を埋める戦いを始めれば、敗北は明らかだった。
そこで私たちは、「山」、つまりDataSpiderにしかできないこと、DataSpiderが強みとすることに磨きをかけることにした。
(中略)
「谷」(弱点)については、BizTalkに追いつこうとするのをやめ、必要最低限の水準でいいと割り切ることにした。(No.202)

実際に競争の中でこれをやるのは大変だったろうな。あと、「一太郎」の戦略がたぶんこれ。

 

プレゼンの3つのコツについて

1. 共感する事実から入る:「この人の話はうなずけることが多いな」と相手の気持ちを整えることを優先しよう
2. プレゼンの山場に入る重要な「つなぎ」は自分の言葉で語る:「次のスライドの意味はこうです」とスライドをめくる前に言う。 (プレゼンを見ていない人には正しく伝わらないリスクもある。4ページ目にはロジックを書いておくとなおよい)
3. 決め台詞を用意する
(No. 315)

 

デジタル技術の「正しい」使い方

DXには明確な失敗パターンがある。それは「使う人の驚きと喜びを考えないで作ったものはほぼ失敗する」というシンプルなものだ。(No.609)

実際には、諸事情でごにょごにょ。

 

ラストマン戦略(特定の何かについては、一番詳しい)について

ラストマン戦略には、次の4つのメリットがある。
1. 最初の目標が低いので実現できそうな期待が持てる
2. 低い目標でさえ実現できない場合は、早めに方針展開できる
3. 目標が段階的に高くなっていくため、自信をつけながらストレスが少ないかたちで成長していくことができる
4. 新人であっても周囲の人達から頼られ、自らも「このテーマは自分がラストマンなのだ」と誇りを持って仕事に取り組むことができる(No.851)

新人教育に良さげだなあ。

 

優秀だが厄介な人の扱い方のコツでもあるし、自分のプロデュースのコツでもある。

意図的に、そして戦略的に仕事の中で「見せ場」を作ろう。
(中略)
「信頼の積み上げ」を厚みのあるものにしていく。(No.1058)

 

優秀だがクセのある人達の間で対立が起こったら?

「議論を尽くせば、みなが納得できる結論に至り、気持ちよく仕事をしていける」
猛獣園ではこんなキレイごとは成立しない。
(中略)
意見が分かれたときはどうすればいいだのだろうか。
やりかたは簡単だ。「今日は議論をするのではなく、みんなの意見を聞きたい。それを全て聞いたうえで、チームとしての方針を決めたい」と宣言する。そして、意見がある人カrあ順に手を挙げて発言してもらう。発言中は神聖な時間として気軽に反論せず、全員でその人の話を最後まで聞く。(No146)

 注意点も書いてある。ただ、これが本当に機能するかどうかはやや疑問で、小野さんだから機能しているんじゃないかなあ。