k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究2023年8月号

 

軍事研究 2023年 08 月号 [雑誌]

軍事研究 2023年 08 月号 [雑誌]

  • ジャパン・ミリタリー・レビュー
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ウクライナの破壊工作部隊」(黒井文太郎)。ウクライナ戦争では、5月のクレムリンへのドローン攻撃、6月のカフホカ・ダム破壊など誰がやったのかはっきりしない破壊活動が何度も起こっている。事の真偽はすぐには分からないとして、そういう活動をしそうなウクライナ側の組織についての解説記事。ウクライナ側には大きく3つの組織があり、国防省情報総局、保安庁、対外情報局。情報総局が中心なのだが、クリミア橋攻撃は保安庁がやっていた、などやはり戦争中だけに色々と情報は交錯する。

 

ベラルーシへの戦術核兵器配備計画」(小泉悠)。3月にプーチンが発表したベラルーシへの核配備はどういう意味があり、どういう経緯があったのかの解説記事。開戦直後に行われたベラルーシ憲法改正でロシアによる核配備が可能になっており、この頃から既に検討は始まっていた。とはいえはっきりしない部分がまだ多く、軍事的な意味合いと政治的な意味合いと核恫喝とがまじりあった状態のようだ。また、プーチンは形式的には西側の核シェアリングと同じだと言いたいようだが、意思決定などの点で全く異なっている。

 

「日本の反撃能力を担う国産巡航ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」」(宮脇俊幸)。12SSM能力向上型についての解説。ポイントは射程の長さと対地攻撃能力。とは言ってもか開発は長射程化に絞られており、早期の配備が必要ということになる。これは「開発と量産の並行実施」というミサイルでは初の進め方をとったことでも分かる。

 

「米陸軍FLRAA V-280バロー」(石川潤一)。ブラックホークの後継機に選定されたV-280はティルトロータ機。速度・航続距離が倍増し、陸軍で最速の機体になるのだそうだ。数的にもブラックホーク後継となると数千機規模になる。