ネットで人生変わりましたか？

ネットで人生、変わりましたか?

　ＩＴ戦士岡田有花氏によるインタビュー集。基本的にはウェブ(ITMedia)に掲載した記事をまとめたものだが、補足など若干の加筆がされている。
　やはり一連のクリスマス企画が一番笑えるのは事実かな。ちなみに岡田記者の代名詞となったIT戦士だが、

IT戦士とは、以前からITMediaでよく使われていた言葉です。特に、ITと何の関係もないネタを無理矢理ITmediaに載せる際に、「IT戦士のための○○」と書いてお茶を濁すという手法が当時から確立していました。「クリスマスを線メリと過ごすのは、IT戦士だからだ」。美しい解決策に気付き、筆がどんどん進みました。(p.95)

　まじめな話をすると、3年前くらいの記事で、それもインタビュー記事なので、「こう思う」「こうだといいな」的な部分の当たり外れが非常に興味深い。伸びたもの、滑ったもの、まだ出ていないもの、変わったもの、などなど。この視点が今から3年後の2010年を考える上では一つのヒントになる。
一方で、これは書籍。ウェブと違って選択や並び順（本書は時系列だが）には著者のコントロールが入っており、岡田有花史観でしかありえないという点は、書籍という形式の持つ力であり限界である。

　まあ、「自分だって、色々やれそうかもしれない」という元気を貰えるのが、本書の一番いいところかもしれない。これは岡田記者ならではだろう。唯一の問題は、本書がウェブ外に届くかどうか。届いて欲しいところだが、そのためにはソフトバンククリエイティブではなく、できれば、一般向け新書か何かで出して欲しかった。