k-takahashi's blog

個人雑記用

萌える戦艦

萌える戦艦

萌える戦艦

 「大艦巨萌主義」となうった一冊。二次大戦時の各国の戦艦の簡単な紹介文に女の子のイラストを付けたもの。ロシアや南米三国(ブラジル、アルゼンチン、チリ)まで含んでいるところは面白い。ただ、文章はまともなものの、イラストはわりとどうでもいいかんじ。各国の特徴の違いをデフォルメして女の子のイラストにするのであれば、なにがしか基準が見える必要がある(この際、「主砲の口径」=「バストサイズ」とか、「全幅」=「ウェスト」とか「速力」=「脚の長さ」とかの安直なものでよい。超弩級/ポストジュットランド/条約型/無条約とかの時代の流れをコスチュームの種類に託してもよい。)のだが、どうもそういうのは分からなかった。


 記述は用兵思想、開発思想、背景からの制限などにも触れたもので短いながらも悪くない。
ただ、大和とアイオワが撃ち合ったら大和が勝つ可能性が高い、としているところはやや説明不足。主砲戦距離である2万5千〜3万メートルでの撃ち合いなら大和の貫通力・防御力が対アイオワで圧倒的に有利だから、というのが理由だが、サマール沖海戦において、大和の主砲の砲撃(距離約30キロ)が命中弾ゼロ*1だったことなどからちょっと怪しい結論に思う。運用とかに踏み込んだ説明もしているのだから、そこらにもちょっと気を配って欲しかった。大和が有利なのは間違いないとしても多分一般に言われているほど圧倒的なものではないようなのだし。

*1:

やっぱり勝てない?太平洋戦争―日本海軍は本当に強かったのか

やっぱり勝てない?太平洋戦争―日本海軍は本当に強かったのか

 のp.134より