Newton (ニュートン) 2008年 10月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2008/08/26
- メディア: 雑誌
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ところで、熱帯低気圧は、
- 温かい海水面から湿った空気が上昇し、積乱雲ができる
- 積乱雲内で水蒸気が水滴になるときに放出される熱で新たな上昇気流が発生、回りにも積乱雲ができる
- 吹き込んでくる風がコリオリ力により渦を巻く
- 渦が眼をつくり、眼ができることで気圧がさらに低下、湿った空気がより多く流れ込み台風は成長する
という形で大きくなる。上陸したり、海水温が下がったりするとエネルギー供給が細り、台風の勢力は衰えていく。
では、温暖化すれば台風の数が増え、規模も大きくなるのかというと、実はそこまで単純ではないらしい。海水温が上がっても、地球全体の温暖化により温度差が小さくなり上昇気流の強さは弱くなる可能性がある。その場合、台風は成長しにくくなるのだそうだ。もっとも、エネルギーは増えるので、一度成長を始めると巨大化するという説もあり、この辺の予想は難しいようだ。
他にはハッブルの撮影した写真とか、腰痛のメカニズム(ヘルニアなどがよく言われるが、実は大半の腰痛は原因不明)とか。
稼働間近のLHCにどんな測定機器があって、何が分かるかもしれないのかの簡単な解説もあった。質量の起源と言われるヒッグス粒子、ダークマターの正体と言われる超対象性粒子、人工ブラックホールなどである。最後の人工ブラックホールは一時話題にもなった話。どういう意味があるのかというと、空間が3次元までしかなければそんなことは起こらないが、もし第4の空間次元があれば重力はミクロスケールでは非常に強くなるため、LHCが生み出すエネルギーでもブラックホールが「できてしまう」。つまり、ブラックホールができたら、それは第4の空間次元の存在を示す証拠となる、のだそうだ。