コマンドマガジン Vol.86(ゲーム付)『モンスの戦い』『空母ガンビア・ベイ』
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ところで、第一次大戦と言えばシュリーフェン・プラン。一般に「小モルトケが改悪したから失敗した」という説があるが、大木毅氏の記事はその俗説を否定するもの。
まずシュリーフェン神話を誰がいつ広めたのかという点について、第一次大戦後、シュリーフェン学派の軍人達であったことを示す。
次に、1956年にゲルハルト・リッターという学者が、シュリーフェン・プランは国政情勢の変化の可能性を無視して二正面戦争の勝利という可能性を追求した戦術論に過ぎなかったという論を発表していることを示す。
小モルトケの果たした役割については、クレヴェルド(「補給線」の著者)が兵站面での改善を指摘していたが、さらにアニカ・モムバウアーが2001年に発表した論文では、研究の結果元々のシュリーフェン・プランが実行不能であることを知った小モルトケが実行可能になるよう修正を加えたとなっているそうだ。
へえ、と思ったが、クレヴェルドのところまではいいとして、モムバウアー氏の研究ってどのくらい認められているのだろう。
あとは桂さんの記事の出だしが笑った。
私どもシミュレーションゲーマーの多くは、Montgomeryという文字を見ればモントゴメリーと読み、北アフリカでロンメルと戦った「砂漠の鼠」の親分だと思います。けれども、より多くの人々は、Montgomeryという文字を見ればモンゴメリと読み、「赤毛のアン」を書いた少女小説家だと思います。(p.34)