k-takahashi's blog

個人雑記用

未来への周遊券

未来への周遊券

未来への周遊券

 「星新一 1001話を作った人」の最相葉月と作家の瀬名秀明が、産経新聞の「往復書簡シリーズ」で掲載したコラムを一冊にまとめたもの。
つまらないわけではないのだけれど、こういうのはやはり掲載紙上で一定のペース感と時事性をもって読んだ方がいいんだろうな、とも。どこかで読んだ話のとっかかり部分だけまとめたような印象になってしまうからかもしれない。飛行機の話にせよ、インフルエンザの話にせよ、瀬名先生の別の書物の記述の方が迫力が感じられるんですよ。


 二カ所ほど引用を。

ドラえもんを見て育った世代がドラえもんの映画を作るようになった。26年後にリメイクされた『のび太の恐竜2006』では伸びた達が最後まで大人の助けを借りず自らの力だけで目的を成し遂げる。きっとスタッフは自分が小学生だった頃のことを思い出しながらストーリーを考えたのだろう。(p.40)

本統の科学というものは、自然に対する純真な驚異の念から出発すべきものである。 本統という表記がいきなり胸に刺さった気がした。(p.70)

 「本統」。良い言葉だけど、軽々しく使ってはいけない言葉でもあるのだろう。