Newton (ニュートン) 2012年 05月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2012/03/26
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意識というのは色々研究テーマとしては難しいのだが、そこを丁寧に解説している。
面白かった部分の一つが、
行動をする際には意識は必ずしも必要ないということです。
意識というものは、その状況に応じて、適切な行動を選択するという機能とともに『するべきではない行動を制限する』という意味で大きなはたらきをしているのです。(p.28)
リベット博士の有名な実験(運動の指令信号は、被験者が意志決定した時刻の約0.35秒前に発生していた)も紹介されていてが、その解釈の一つにそうした「脳のチェック機能」というのがあるというものがあるそうだ。
また、NCC(意識と相関する神経活動)を調べるという手法を、遺伝や進化の研究におけるDNA研究のようなものだという見方も面白い。
意識研究は容易にオカルトに落っこちかねないのだが、きちんと扱おうという努力は当然ながらされているわけだ。
ブラックホール
ブラックホールは直接観測されたことはないというのは知っていたが、一見ブラックホールに見える天体が複数あるというのは知らなかった。
γ線バーストは裸の特異点かもしれない、重力崩壊がゆっくり進めば潰れる前に崩壊が止まりブラックスターになるかもしれない、超高速で回転する有限密度の物体が特異点と置き換わったもの(スーパースピナー)もあるかもしれない、など。
例によって、理論物理の話はとんでもないものばかりだ。